I.J. さん

いつも質問にお答えくださりありがとうございます。
私は現在WEBライターとして活動しているのですが、ゆくゆくはディレクターも視野にいれたいなあと考えております。

しかし以前藤原さんがご自身のツイートで
「ライターとディレクターはぜんぜん違う」
とおっしゃっていたのが気になりました。

その中でも特に「自分のペースで動けない」「ストレスがやばい」「禿げてきた」という言葉達に怯えています。笑

そこで、ディレクターとして活動するとなると、作業は具体的にどのような流れになるのか、どのような点がライターと違うのかなど教えていただけると幸いです。

I.J. さん

いつもご質問をくださりありがとうございます。

下記のツイートが、I.J. さんがおっしゃる該当の発言かと思います。

脅してしまい申し訳ございません。相性もありますから、一度挑戦されると良いように思います。

当時、あまりにも「稼ぎたいならディレクターを目指すべき」という発言を目にする機会が多かったため、安易に〝ライターの次はディレクターを目指すのが正解〟と捉えてほしくないと感じ、上記のような発言をしたものと記憶しています。

実際に挑戦された際に感じるかと思いますが、ライターとして対応するときとは違ったプレッシャーが、ディレクターの仕事にはあるのです。

もちろん、ディレクターになることを否定する意思はありませんし、現にわたしは今でも頼まれれば編集やディレクションに携わります。


ディレクターや編集者の仕事について、過去のメルマガにちょうど良いものがありました。ちょうど1年前に配信したものです。

多少、粗さのある文章ですが、原文のまま掲載します。

件名:いわゆる「上流職」に就く必要はあるか

こんにちは、藤原です。

発信のお題として「いわゆる “上流職” に就く必要はあるのか」といったテーマをいただきました。まだ、これをブログに書く勇気はないため、自身の思考整理を兼ねてメルマガにします。

上流職というのは、Webメディアの編集者やコンテンツディレクターと呼ばれるポジションのことだと思われます。

直接「編集者系の仕事について聞きたいです」と質問いただくことも多いため、今日はざっくり “ライターより1つ上のポジション” がどのような仕事をしているのか触れていきます。

結論から言うと、以下を覚悟できるなら僕は「一度は上流職(便宜的にこう呼びますね)を経験すればいい」と考えています。

・結果に責任を持つこととなる

・仕事の進捗は他人に左右される

・いま以上にコミュ力が求められる

業務内容も持つべきマインドの在り方も、ライターとはまるで違う仕事です。それだけに、勉強になることも多いのです。

今回は、そもそも上流職は稼ぎやすい仕事であるのか、および上流職の適性を判断する上記のポイント3つについてお話します。

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そもそも上流職は報酬がいいのか
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編集者やコンテンツディレクターの定義は曖昧で、同じ肩書きを名乗っていても業務内容が異なることは往々にしてあります。

こういう前提を踏まえてお答えしますが、ずばり上流職は “稼ぎやすい仕事” だと思っています。

過去、僕が担当した編集・ディレクションのお仕事は、その多くが月額契約で15〜30万円ほどの単価感でした。まれに1件あたりの報酬額で計算するものもあり、そちらは1件7,000〜1万円です。

それぞれ、業務内容について共有します。

月額15万円のディレクション
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月額15万円のディレクションは、以下のような条件のもと契約した案件です。

【業務範囲】
・人員募集と選定
・諸連絡と支払い
・キーワード選定
・記事構成の作成
・業務の振り分け
(ライターさんに担当記事を伝達)
・納品記事の確認
・記事修正とフィードバック
・記事に使用する図解の作成
・CMS入稿
(装飾・画像挿入を経てワードプレス等にアップ)
・クライアントへ進捗を報告
・クライアントとビデオ会議(月1〜2回)
・過去記事の情報更新

【ジャンル】
・事業戦略
・投資関連など

【制作本数】
・月10〜15記事
・2,000〜4,000字

【ライター人数】
・常時 3〜5人
・文字単価1〜2円
※クライアントは、僕への報酬とは別にライターさんの外注費を支給してくれるケースが大半でした。

初めてのコンテンツディレクションはこんな感じでした。

相場は分からないし、自分のなかの基準もないので、ひとまず月15万円で受けていたのですが「これはキツいぞ」と思い半年ほどで離脱。

やや専門性の高いテーマであったため、フィードバックを多めに入れるほかなく、それがライターさんの負担になったようで入れ替わりは頻発。

当時は、ライターさんのケアとディレクション業務のバランスが掴めておらず、うまく業務をとりまとめられないでいました。

くわえて、クライアントから求められる図解が、僕にとって「これでは読者に伝わらないぞ」と感じるタイプのものであったため、自身の「分かりやすい」と先方の「分かりやすい」がマッチしなかった点もネックでした。

月額30万円のディレクション
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最初に言うんですけど、実は月額30万円のディレクションは先ほどの業務内容とほとんど変わりありません。

ジャンルも非常に近しいジャンルです。

おそらく、上流職はライターより人口が少なく正確な相場がないため、決裁権者に「なぜこの価格なのか」を伝えれば言い値が通りやすいのです。

【業務範囲】
・先ほどと同じ

【ジャンル】
・投資関連

【制作本数】
・月15記事
・5,000字以上

【ライター人数】
・常時 3〜5人
・文字単価2〜3円

この頃から、ライターさんとの適切な距離感を理解し始めて、長く一緒にお仕事をしてくれるライターさんが増えたように思います。

業務量はそのまま報酬が以前の2倍程度になったことから、クライアントさんの意見をすべて取り入れても「このまま続けるのはキツい」と感じなくなりました。

1件1万円程度の編集業務
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編集業務の定義も曖昧ですが、「編集者任せるわ」と言われて僕がやっていた業務は以下のようなもの。

【業務範囲】
・あがってきた記事の事実確認と修正
・分かりづらい部分は図表作成・追加
・修正の意図をコメントに書き入れる

【制作本数】
・月10〜30記事
・5,000文字前後

手を加える場所が少なければ1件あたり30分、ガッツリ修正が必要になる場合は1件あたり3時間ほどかかりました。

あえて時給に換算するなら、3,000〜1, 2万円といったところでしょうか。

ただ、携わって6, 7ヶ月ほどでプロジェクトが閉じてしまい、同業務への理解を深め足りないまま終わってしまいました。

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先述した3つのポイントについて
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冒頭でお話しした、以下の3つについて簡単に触れます。

・結果に責任を持つこととなる

・仕事の進捗は他人に左右される

・いま以上にコミュ力が求められる

それぞれ解説します。

結果に責任を持つこととなる
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上流職は、ライター以上に「結果を出すこと」を求められます。

・キーワード選定が悪かったのでは?

・構成の切り口が悪かったのでは?

・CVの導線が弱かったのでは?

結果が出ないと、すぐクライアントさんから上記のように突っ込まれます。

ここまで専門的な言葉が出なくても「結果はいつ出るんでしょう?」と指摘が入ります。

それでも改善が見られなければ首を切られます。

僕は “結果より成果物の品質” を問われがち(私見)なライターより、ずっと大きな責任を背負っているように感じたため、人によっては耐えがたいかもしれません。

仕事の進捗は他人に左右される
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納期にさえ注意していれば、ライターは自由なペース配分で仕事を進められます。

一方、上流職はライターさんに渡す構成を作ったり、ライターさんから受け取った記事をチェックする「ライターさんの動きに合わせる仕事」が多いため、自分のペースで仕事を進めることが困難です。

・次月の構成案を作っておく

・過去記事の情報更新

・ビデオ会議に向けて資料作成

上記のような、自分のペースで進められる仕事もあるにはあるのですが、基本的にメイン業務は他人の仕事ペースに依存するものと覚悟してください。

こういった理由から、ライターさんの納期遅れ等によりスケジュールが狂ったとき、自分のリソースで強引に間に合わせる努力も必要となります。

いま以上にコミュ力が求められる
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もちろん、ライターにもコミュニケーション能力は求められますが、上流職はクライアントとライターさんの中間に入るためより繊細な配慮が求められます。

とくにメディアが軌道に乗るまでのメディア立ち上げ初期は、クライアントに「どんなふうに進めていくの? 結果はいつでる?」と聞かれ、理想的な記事を作ってもらうためライターさんにフィードバックを行い……

板挟みの状態になりつつ、それぞれの期待・機嫌を損ねないような距離感とメッセージの伝え方を心がけなければなりません。

きっと、どんなマネジメント職もこんなふうなのだと思いますが。

以上の点も、人によって合う・合わないがキッパリ分かれるものと思われます。

上流職が気になっている方の参考になれば幸いです。もっと違った角度の話が知りたい場合は、このアドレスかTwitterのDMにメッセージをいただければお答えします。

上記のような配信をしているメルマガは、以下の案内ページから登録できます。

藤原将軍のライティングメルマガの案内ページ
(登録リンクはページ内にあります)

必要に応じて、こちらもご活用くださいませ。

ご参考になれば幸いです。

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