藤原さんがwebライターを始めたての頃、いくらの単価からスタートし、どれくらいお仕事して単価交渉したのかが気になります。
クライアントさんにもよると思いますが、例えば、A社は0.8円からスタートし、継続的にお仕事を頂いていたので、4ヶ月経ったくらいで単価交渉で1円になった。B社は…など、少し具体的に教えていただけたら、単価交渉の目安になり嬉しいです。
ナナさん
文字単価が上がるWebライター、文字単価を上げられるクライアント
より高単価なWebライターを目指すとき、知っておかなければならない法則があります。
文字単価が上がるときは、総じて〝文字単価が上がるライター〟と〝文字単価を上げられるクライアント〟がマッチしたときです。
これ以外の状況で「何となく文字単価が上がることなどない」のだと意識することから、単価を上げられるライターへの道のりは始まります。
さっそく、文字単価が上がるWebライター、および文字単価を上げられるクライアントの定義をざっくりお話します。さまざまな意見があるかと思いますが、あくまで持論であることを踏まえてお聞きください。
文字単価が上がるWebライターとは?
文字単価が上がるWebライターとは、冒頭で述べた3つのポイントを押さえたうえで、以下の点を満たしているWebライターを指します。
- 自発的に学習している
- 自分の成長をクライアントに伝えられる
- 自分の成果をクライアントに伝えられる
- 割に合わない仕事を断る勇気がある
- クライアントに集客力・売上を伸ばす提案ができる
※ 記事単価や月額契約など、あらゆる受注単価に共通する内容です。
1つ目はそのままの意味ですので、2つ目から順に具体的な解説を続けます。
自分の成長・成果をクライアントに伝えられる
SEOや執筆分野に関する知見を、自発的に学習する姿勢が大切であることは言うまでもありません。
しかし、そうして自身が知識量・経験の面で成長しているにもかかわらず、それをクライアントにアピールするライターは少ないように感じています。
私の経験を基準にするなら〝成長アピール〟なくしてクライアントに「このライターさんは成長しているな」と認識させることは困難です。
この人、うちのメディアに慣れてきたのかな
最近、このライターさん調子良いね
上記のような捉え方をすることはあっても、敏感に「この人とても成長しているぞ」と感じ取ってくれるケースは稀だと感じます。クライアントは親ではありませんから、自らアピールしなければ自分の成長を認知してもらえません。
同じく、成長があれば成果が付いてくるものの、これをクライアントに伝えずに損している事例も見ます。では、どうやってアピールをすれば良いのか、普段のやり取りに組み入れると効果的な文言をご紹介します。
- 記事制作に生かせるかと思い、〇〇の資格を取得しました
- 業界の最新動向を知るため、〇〇のセミナーに参加してきました
- 〇〇の記事、狙ったキーワードで1ページまで上がってきましたね
たとえば、セミナーに参加したのち、セミナーで得た内容を簡単にレポート化して共有すると、成長を伝えつつ自身と取引することの有益性も示せます。
さも〝勉強なんてやって当然ですよね〟と思わせる溌剌(はつらつ)としたトーンで伝えれば、クライアントに「あざとい人だ」と捉えられることもないかと思います。
割に合わない仕事を断る勇気がある
悲しいかな、世の中には条件の良くない仕事が溢れています。そんな状況下で、高単価な仕事を獲得できる人は〝割に合わない仕事を断れる人〟だと考えています。
これを「そんなのは強者の理論だ。必死に生活費を稼いでいる者の気持ちを理解していない」と一蹴りにするのは待ってください。
そもそも、来た仕事をすべて受けるスタンスのままでは、構造的に高単価な案件を受注できないのです。
ライター初心者であった当時の私を含め、世の中には「割に合わなくても仕事がないよりマシ」と言って、何でも仕事を受けてしまうライターさんが多くいます。
いつも割に合わない仕事をいっぱいに抱えており、目の前にチャンスがやってきても飛びつけないのです。
暇だったら「やります」と即答していただろうけど、スケジュール調整が難しいから返答に迷い、仕事はそのまま流れてしまった⋯⋯みたいな経験、思い当たる節はないでしょうか。
クライアントに集客力・売上を伸ばす提案ができる
クライアントはときに企業の社長であり、ときに企業のマーケティング部門担当者であり、ときにフリーランスディレクターであり……
といった事情から、クライアントと一括りにして語ることはナンセンスとも考えているのですが、発注側がいずれのタイプであっても〝未来の話をして提案する〟はプラスに働きます。
未来の話とは、見出しにある集客力・売上を伸ばす提案のことです。ほかには業務効率の改善、読者との関係性といった見えない価値の強化もこれに該当します。
- つぎは〇〇関連の記事を書いていきませんか? ここは競合が力を入れていないようです
- こういう訴求に変えると(クライアントさんの)商材の成約率が伸びそうではありませんか? 許可をいただければ次回から反映させます
- 記事制作の体制、こういうふうに変えると質・スピードが上がるように思うのですがいかがでしょう?
要するに「この人の提案を実践すると、プロジェクトに良い効果がありそうだ」と思わせることで、自身のポジションを替えの効くライターから〝手放したくないビジネスパートナー〟に引き上げるのです。
ここまでご説明した方法のなかで、飛びぬけて難度の高いアプローチかと思いますが、希少な人材を目指すなら少しずつ実践して慣らしていくことをおすすめします。
文字単価を上げられるクライアントとは?
文字単価を上げられるクライアントの定義は、いたってシンプルです。
- Webメディアに割く予算が大きい
- プロジェクトの中間にいる人材が少ない
Webメディアに割く予算が大きい企業には【本業で稼いでいる or Webに可能性を感じている】といった傾向があります。
これを付き合いの浅い段階から見極める方法は見つけられていませんが、私は「そもそも、法人のほうが扱える予算が大きいのでは?」といった考えのもと、法人を中心に仕事を受けています。実際、多くの法人クライアントが、個人事業主のクライアントより大きな予算を設けていました。
また、Webメディアの運営には、中抜きの多い案件とそうでない案件があります。
これも簡単に見抜けるものではなく、自身ではコントロールできない部分ですが、常に意識しておくとクライアントの言動からプロジェクトの全容を把握できることも多々。
プロジェクトにどれだけの人材が携わっていて、どの人材にどれほどの予算が費やされているのか分かれば、より大きなお金が流れてくるポジションを察知できるため、商流を上げるイメージを持って活動をしているならアンテナを張っておくと良いように思います。
私がWebライターとしてどのように文字単価を上げていったのか
大変申し訳ございません。
当時は必死すぎて、目の前のクライアントさんとのやり取りに最大限の配慮をし、全力で仕事をこなすことで精いっぱいでした。
つまり、細かい部分の記憶がございません。
ただ、ライターとしてレベルアップしたときのことを思い返すと、やはり今回お話したことを実践していたように思います。
あえてストーリーを用意するのもあざといので、副業時代~独立直後の単価感をざっくり開示しますね。
- アニメ関連記事…単価0.2~0.4円
- 節約の解説記事…単価0.5円
- ガジェット紹介…単価1.5円
- カメラレビュー…単価1.2円
- 投資記事…単価1~1.8円
- 婚活記事…単価1.4~1.8円
- 不動産記事…単価3~4.5円
- 再エネ記事…単価4~12円
ライティングメルマガより抜粋
単価交渉をするタイミングは、たいてい「この仕事、作業量といただく報酬が合わないな」と感じたとき、あるいは「先方から続けて高評価をいただき、自身が重宝されていると察したとき」です。
また、単価アップの交渉は「クライアントからお金を搾り取る」のではなく、あくまで「自身の適正価格をお伝えして合わせてもらう」という認識を前提としてください。誠意がなければ信用を失います。
単価アップの相談に関する質問はたくさんいただいているため、今回は過去に送ったメッセージをぼかしつつシェアします。
本来は、心の内から出てきた言葉(感謝とお願いの気持ち)をつづるべきだと考えているため、あくまで参考程度に捉えていただければと思います。
いつもお世話になっております。藤原です。
(中略-前回のメッセージの返答など)
また、引き続き記事作成をお受けするにあたり、契約条件の変更をご検討いただきたく思っております。
- 自身の平均受注単価が〇〇円前後に上昇したこと
- 他社様より〇月以降の発注相談を多くいただいていること
- 執筆記事の専門性が高まっており、リサーチにコストを要すること
上記を踏まえ、ご予算の見直しをお願いしたく存じます。具体的には、〇月より文字単価を〇〇円にアップしていただければ、引き続きリソースを〇〇さまのご依頼に集中できると考えております。
〇〇さまとは半年以上のお付き合いがあり、今後もできる限り長期にわたってお役に立てればと思っているため、早々にご相談させていただいた次第です。
(後略-締めのメッセージなど)
限られた予算のなかで発注いただいている場合、あるいは自身の力量が単価アップに見合うものではないと判断された場合、自身に対する予算の増額はなされません。
ただし、理由が前者であれば「作業工数を減らしてもらう」ことで、業務量に対する報酬額を引き上げていただく交渉は可能です。
一方、後者の理由で断られたにもかかわらず単価交渉を続けると、クライアントの心証を損ねて関係性が悪化してしまうため、相手の反応から「自身をどのように評価しているのか」を察することに努める意識が大切です。
また、クライアントの事業体制の都合により予算増額を即決できないケースもあるため、相手に無理な単価見直しのスケジュールを提示しないよう余裕をもって相談に臨みましょう。