よく、ペルソナや読み手の気持ちを考えることがあるとおもうのですが、中々イメージがつきにくく、何を伝えたいのかわからなくなってしまいます。書いていると軸がブレてまとまりがなくなってしまいます。
おゆ社員さん
ご質問ありがとうございます。
ペルソナや読み手の気持ちをイメージすることが難しいのであれば「その記事のターゲットに必要な情報は書き、不要な情報は書かない」という基準を意識することで、伝える内容の振れ幅を小さくできるのではないかと思いました。
読者の気持ちを想像するのは感覚的な作業であるため難しそうですが、読者層が必要/不要とする情報を選別しつつ記事をつくる作業は、気持ちを推し量るほど高度な察知力を要さないと感じます。
また、ペルソナ関連の悩みとして多いのが「ペルソナは細かく設定するらしいけど、それが混乱を招く」というものです。これに該当する場合も想定しつつ、ペルソナについて回答してみました。
すでに実践されているものもあるかもしれませんが、取り入れられる部分があれば幸いです。
※ 本記事の内容は一般論的な観点ではなく、藤原個人による意見です。
まず発注者に「どんな人がターゲットなのですか」と聞く
いま抱えているお仕事は、発注者に「貴社のメディアはどのような人がターゲットですか?」と尋ねて、意思共有をしたものばかりでしょうか?
もしも事前にメディアのターゲットを聞いておらず、おゆ社員さんが記事ごとに毎度イチから読者像を想像しているなら、それはとても大変な労力がかかる状況です。
まずはターゲットを聞いてみてください。もしも発注者がそれを答えてくれないのであれば、そのメディアに明確な目的も理念もないことのあらわれです。
発注者自身がメディア単位でターゲットを定めていないにもかかわらず、記事単位になったとたんペルソナを求めるのはおかしな話だと(わたしは)思うため、対応としては「上位記事から情報の傾向をつかむ」くらいしかできることはないのではと感じました。
年齢・性別等のむりな属性付与が混乱の原因である可能性
「ペルソナはターゲットの延長線上にある」という考え方があります。
この原稿はおゆ社員さんの質問ありきで書いたものですが、あえて本メディア・本記事を例にするとターゲットとペルソナは以下のようになります。
>ターゲット(このメディア全体に共通する読者像)
現状のライター活動に課題を感じている専業、あるいは副業ライター
>ペルソナ(この記事の情報を必要とする読者像)
「ペルソナをイメージすることが難しく、何を伝えれば良いのか、書いている最中に軸がブレてしまう」という課題を感じているライター
このように、ペルソナはターゲットの人物像に一段か二段具体性を与えるだけでも十分に機能します。
たとえば、上記を見たときに「この記事の読者はペルソナをイメージするコツについて知りたいのであって、いまはそれ以外の情報を必要としているわけではないんだな」と捉えることができたなら、伝えるべき情報は “ペルソナをイメージするあらゆるコツ” であり、書く内容の軸は “ペルソナに関すること(それ以外は要らない)” と思いいたります。
経験上「ペルソナを考えるのが難しくて……」と悩む人の多くは、年齢とか性別とか収入とか家族形態といった属性を無理やり付与しようとして、それらの属性をもとにどう記事へ反映させれば良いのか分からず混乱していました。
原稿制作において、ペルソナは言葉選びや情報の方向性や粒度(かみ砕く程度・詳しさなど)の基準とするために必要な存在だと思っており、その基準とならないような情報をペルソナに盛り込む必要性は薄いと考えています。
つまり「30代男性におすすめのヘアケア商品」が記事テーマであるときは、ペルソナに年齢と性別を設定しなければ的外れなことを書いてしまうわけですが、「在宅ワークにおすすめのスマートスピーカー」が記事テーマであれば年齢や性別が原稿の方向性を変えることはありません。
にもかかわらず、後者であっても無理やりに年齢や性別を含めたペルソナを設定しようとするから、書き手に「用意したペルソナを活かした原稿制作ができていない」と混乱が生じるのではないかと思いました。
結論が遅くなりましたが「不必要な属性を盛り込みまくったペルソナをつくらない」が、おゆ社員さんのペルソナに対する苦手意識を軽減させる方法にならないかな……と考えています。
いわゆる “ペルソナに盛り込むべき項目” と呼ばれるものすべてを盛り込むことが、現場においても絶対に必要なのだとは限らないのだとご理解いたければ幸いです。
ご参考になれば幸いです。