ある日、Twitterで「Kindleを出版してみませんか?」と営業メッセージが届きました。普段だったら怪しんで無視してしまうところですが、その方は普段からTwitter上で交流のあるWebデザイナーの方。

昔から本を出すことに憧れはあったので、これも機会だと思い「よし、Kindle出版やってみよう」と決意しました。

その後、いまでは書籍を4冊(うち自費出版のKindleは3冊、商業出版した単行本1冊)を出版しています。

これらの経験をもとに、以下の情報を共有します。

  • Kindle出版に必要なもの・手順
  • 表紙(装丁)の準備方法
  • 印税収入・入金用銀行
  • 出版代行の良し悪し
  • 費用はどうだったか

ぜひ、あなたの作品を出版する際にご活用ください。

この記事の執筆者

藤原 将

2018年からフリーランスライターとして主に法人メディアの記事制作に従事。

ランサーズ株式会社より「ランサーオブザイヤー2021」を受賞。大和出版『文章起業』など文章を題材にした著書複数。2022年からYouTube運営に注力。

―― 個人出版のノウハウをまとめました

Kindle/ペーパーバック出版を手厚くサポートする一冊
#個人出版の手引き書』は、Kindle・ペーパーバック出版の支援事業を行う弊社が、実務のなかで培った出版ノウハウを集約した記事型コンテンツです。

代表自らも複数冊を出版し、フリーランスや中小企業の個人出版に携わるなかで形にした「知識ゼロから出版するための教科書」をぜひご活用ください。

案内ページにて「自分史シート」を配布中

Kindle自費出版をやってみて感じた特徴

商業出版(出版社から紙書籍を出すこと)とKindle出版を両方経験してみて感じた、Kindle自費出版の特徴は以下の通りです。

自分が「やろう」と思えばすぐ始められる

出版社からオファーが来ることで成立する商業出版とは異なり、Kindle出版は著者自身が「やろう」と思えばすぐに始められます。労力と時間さえ用意できるなら費用面も問題になりません。

具体的な費用は後述しますが、自費出版と言ってもKindle出版の場合は全部自らやれば0円」「表紙だけ外部委託すれば1~5万円」「企画から執筆まで依頼すれば~50万円といったふうにコントロールできるため、著者自ら全工程を担当すれば0円で出版できるのです。

Amazonが提供するセルフ出版サービス『KDP』の使い方は、本記事を含めネットにある多くの記事が解説していますから、調べつつ自力で出版手続きをすれば十分対応できます。

販売部数に対する売上(印税)が大きい

Kindleは「書籍の販売価格に対して最大70%」の印税収入を受け取れます。

商業出版により無名の著者が紙書籍を出版した場合、印税率は6~8%前後と言われていますから、Kindle出版は商業出版より収益性が10倍近く高いのです。この特徴により、販売部数こそ多くないものの頼れる収入源の1つとして機能しています。

秘密保持義務があるため遠回しな表現になりますが、1作目の出版以降、わたしの場合は平均して「毎月ドラム式洗濯機を買い替えられる」くらいの印税収入を得ています。別の表現にすると「月々の接待交際費、自社の社宅の家賃、税理士報酬」くらいの経費はまかなえる計算です。

事業収入として捉えるなら、決して多額とは言えません。また、対象となる読者数には限りがあるため、生涯持続する収入源とは考えていませんが、まとまった印税収入がある期間は積極的に事業投資ができますし、事業に割く時間を減らしてローギアで働くこともできます。

引用:藤原将『個人事業主の売上を増やす「副業出版」の手引き書』ユートミー出版

無制限に読者がいるわけではありませんから、出版後ある程度すると以下のように販売部数は下降傾向となりますが、継続的に新著を出版することでカバーできます。

実際の数字を出すことはできないのですが、ざっくり「こういった推移を辿っている」というチャートを作成しました。

引用:https://fujiharasho.com/book-royalty/

出版社とのつながりが生まれる可能性も

Kindleの自費出版後、複数の出版社から声をかけていただきました。

「内容はそのまま紙書籍化しませんか?」
「内容を弊社編集と再考して紙書籍化しませんか?」
「内容を刷新して完全な別タイトルとして出版しませんか?」

等々、いろいろな提案を受けました。業界知識のないまま話を進めることにリスクを感じ、いったんほとんどお断りしたのですが、お話を聞いてぜひ関わりたいと感じた大和出版さんから出た単行本がこちらの一冊です。

副業・在宅OK、未経験からはじめられる「文章起業」で月100万円稼ぐ!

わたしはもともと「紙書籍の出版はすごい人にのみ与えられる特権なのだ」と考えていたため、Kindle出版を足がかりとして商業出版の可能性が開けたことに驚きました。

必ず声をかけられるとは限りませんが、わたし以外にも「自分もオファーを受けた」と言っているKindle著者の知人がいるため、Kindleの自費出版は商業出版をたぐり寄せる方法としても機能するようです。

出版代行を複業にするきっかけになる

一度、自力で自費出版を完遂するとKindle出版の全体像が理解できるため、当初感じていた心理的ハードルはなくなります。

また、実践を経て出版関連の知識が身につき「もっとこうしておけば良かった」と反省点を見つけられますから、これを活かして〝これからKindle出版に挑戦する人〟のサポート業務を始められます。

活動当初は安価な価格設定で代行サービスを展開し、実績・経験に応じて価格改定を行えば本業化もできるでしょう。

わたしが自社で展開している取り組み『ユートミー出版』もその1つです。

※現在は受付停止中

本業の仕事相談が来る(個人事業主の場合)

とくに個人事業主の場合、自費出版したKindleは「自分のビジネスを知ってもらうきっかけ」として機能し、Kindle購読を通じて読者が自身のお客さんになってくれる可能性があります。

わたしを例にすると「Webライターとして依頼主に価値提供をして稼ぐ」というコンセプトの書籍が多いため、Webメディアの運営者から記事制作を依頼されたり、Webライター志望者から起業の指導を依頼されたりします。

会社員であっても、副業で何かしら自分のビジネスを持っている方であれば同様の効果を得られるはずです。作成するKindleの内容を「自身が手がける副業」とリンクさせて、顧客層が関心を示すような内容にすれば問い合わせ数の増加が期待できます。

Kindleの自費出版に必要なもの・手順

Kindleの自費出版に必要なものは以下です。

  • 原稿(私見では4, 5万字以上が理想)
  • 表紙画像、原稿内に使用する画像
  • KDPアカウント・変換済み書籍データ

最低限、これさえ用意できればKindle出版を進められます。

これから企画を考えて原稿を書く場合

原稿を書くにあたり「どのような企画を打ち立てれば良いのか」と悩む場合には、自著にある以下がヒントになるかもしれません。

企画の考え方はいくつもありますが、本書はつぎの3つを軸とします。

自身(著者)の持つ知識や経験に注目する
世の中に必要とされている情報に注目する
まわりの人から見た自身の強みに注目する

このうち、1つめを実践するだけでも企画は成立するでしょう。ただし2つめ、3つめと組み合わせることで企画の魅力度は高まりますから、より大勢に価値を感じてもらえる作品を目指すなら、3つの手法の併用が理想的です。

自身(著者)の持つ知識や経験に注目する

1つめの手法は、著者自らが自分の経歴を振り返ることで実践できます。

小中学生時代をスタート地点として、今日までにどんな人生を送ってきたのか時系列順に並べます。そして、それぞれの時期に得た「人並み以上の知識・経験」を洗い出していくのです。

この際、洗い出した要素はネガティブなものでも問題ありません。たとえば「学生時代に不登校だった」とか「就職直後に消費者金融から100万円を借りた」といった、自信を持って表に出せないような要素も書き出してください。それらを最後まで隠し通すか、勇気を出して公開するかはあとから決めれば大丈夫です。

人生は良い時期もあれば、同じくらい苦しい時期もあります。その両方が見える人から話を聞くとき、聞き手は話の内容を信用します。これは書籍も同様であると考えています。(後略)

引用:藤原将『個人事業主の売上を増やす「副業出版」の手引き書』ユートミー出版

上記の方法によって細かく経歴を洗い出し、そのうえで「いまの自分をつくっているトリガー」を見つけておくと著者の存在感を出しやすく、Kindleの内容が〝単に情報をまとめた資料〟以上のコンテンツに仕上がります。

  • どんな内容を書きたいのか
  • 誰にKindleを届けたいのか
  • 読者にどう感じて欲しいか

それぞれ意識しながら原稿を書くことで、本筋からの脱線を防げます。

原稿制作にもちいるソフトはどれでも大丈夫ですが、無料サービスなら『Googleドキュメント、多少費用を負担できるなら『Microsoft Word』をおすすめします。

どちらも自動保存の機能が備わっているため、原稿を失うリスクを下げられます。

表紙画像の用意(予算があるなら外注推奨)

自費出版したKindleが売れるか否かは、書籍の見た目にかかっています。Kindleを探している読者には、このような画面が見えているからです。

Kindleが並んでいる写真
出所:Amazon「Kindleストアの売れ筋ランキング

どの本の中身が良さそうでしょうか……

Amazonユーザーからすると、Kindle作品一覧を見たとき「どの本の中身が優れているか」は分かりません。実のところ、書籍選びの第一段階に「原稿の素晴らしさ」は評価項目として含まれないのです

試読機能はありますが、1つずつ原稿を読むほど暇ではありませんから、おおよそ以下の要素から〝ぱっと見た印象〟で候補を絞ります。

  • 表紙
  • タイトル
  • レビュー数・評価値
  • 価格(安さ、無料購読できるか否か)

とくに表紙は占有率が高いぶん、ぱっと見た印象の決定打になりやすく購買意欲を左右するものと推察されます。実際に「野暮ったい表紙だから内容もイマイチだろう」と評価される場面もありました。

より表紙の重要性を実感していただけるよう、わたしが自作した表紙1枚とプロに作成してもらった表紙3枚を並べてみました。いかがでしょうか。

自作
自費出版 1作目
自費出版 2作目
自費出版 3作目

自作の表紙ももう少し頑張れそうな気はしますが、類書の表紙画像を参考にしたとしても他の3つのような案は思い浮かびません。この本を読めば何が手に入るのか、文言・色・形で表現するには専門的なデザイン知識が必要なのでしょう。

このような背景から「ぜったいに予算ゼロでKindle出版を実践したい」と考えている場合を除き、表紙画像はプロにつくってもらうことを推奨します。わたしも表紙画像だけは全作ともにプロのデザイナーへ作成を依頼しました。

書籍制作において、著者が担うべき〝替えの効かない部分〟は企画と原稿制作です。当初から今日にいたるまで「購買率の観点、ならびに適材適所の観点からデザインはプロに任せるべき」という考えは変わっていません。

それを踏まえても「やはり自作して費用を浮かせたい」と考える場合には、無料利用できるデザインツール『Canva』のテンプレートを活用したり、Amazonで類書のデザインを参考にしつつ『PowerPoint』を使ったりして表紙作成に挑戦してみるのも1つの手です。

藤原 将

案外うまくいって「プロに見劣りしないデザインをつくれるようになった」となれば、代行業も文字通り〝すべての工程〟を巻き取れそうですね。

KDP(Amazonセルフ出版サービス)に登録

原稿・表紙画像等は最終的に「EPUBファイル」に変換し、KDP(Kindle ダイレクト・パブリッシング)にアップロードすることとなるため、Kindle制作の合間にKDPへの登録を進めておきましょう。

すでにAmazonのアカウントがある場合は「サインイン」を、Amazonのアカウントがなければ「サインアップ」から「KDPアカウントを作成する」へ進むことで登録できます。

その後、利用規約に同意すれば以下のような画面に遷移します。

上部に「アカウント情報が不完全です」といった表記が出ているかと思うので、「今すぐ更新」を押して登録を進めていきましょう。以下の情報を記入することとなります。

  • 住所・電話番号
  • 印税収入を受け取る銀行口座
  • 税務情報に関するインタビュー

このうち、税務情報に関するインタビューは「TIN値(納税者ID)を入力してください」といった要求があり理解しづらいのですが、こちらのサイトの方がAmazonに直接質問してくださった情報によると日本への出版が主ならTIN入力は必須ではない〟と解釈できます。

TINを入力しなければ、米国(Amazon.com)でKindleが売れたときに30%の税金を課せられるのですが、税務情報に関するインタビューを終えた段階から日本(Amazon.co.jp)で売れたKindleに関しては米国の源泉徴収制度の対象外になるとのこと。

冒頭でも話しましたが、アメリカに情報を提供するということがまず一番です。
その他にAmazon様の回答によると、

“Amazon.co.jp など、Amazon.com 以外の Amazon Kindle ストアでの売り上げに対するロイヤリティは、税に関するインタビューを完了した時点で、米国の源泉徴収制度の対象外として扱われます。Amazon.com で獲得されたロイヤリティにのみ、30%米国源泉徴収税が適用されます。”

つまり、登録が完了した時点で「Amazon.com」を通して購入された場合は30%の源泉徴収税がかかってくるけど、アメリカ以外のAmazon Kindle ストア(例えば、「Amazon.co.uk」など)での売り上げの支払いに対しては源泉徴収税はかからないということ。

引用:トラエラ人「Kindle『税に関する情報』勘違いしてる人多すぎ!?直接KDPに徹底的に問い合わせてみた!

法人で登録する場合は、法人番号を入力します。わたしは一応、小さな会社の代表なので法人番号を入力する形で対応しました。法人番号は国税庁の「法人番号公表サイト」から確認できます。

KDPの登録を一通り終えると「アカウント情報が不完全です」の表記がなくなります。

Kindleの原稿が完成しているなら、以下画像の左側にある「電子書籍または有料マンガ」をクリックしてください。

クリックすると、Kindleの詳細情報を入力する画面がでてきます。「オプション」と表記されている項目以外は入力必須なので、それぞれ情報を書き入れていきましょう。

基本項目のうち、とくに大切なものは以下です。

本のタイトル読者がどんな単語で検索するのか考えて、タイトルに組み入れる
内容紹介どんな本なのか端的に伝えて、原稿の目次や「はじめに」を引用
出版に関して必要な権利自身が著作権者なら「私は著作権者であり~」をチェック
キーワード読者がどんな単語で検索するのか考えて、キーワードを考える(オプションですが設定推奨)
カテゴリー選択肢からKindleに関連するカテゴリーを選ぶ
年齢と学年の範囲成人向けコンテンツでなければ「いいえ」を選択

上記項目の設定を終えてつぎの画面に進むと、以下のような項目があらわれます。

言語横書き・縦書きのどちらかを選択し、原稿をアップロード(DRMは説明を確認のうえ選択)
Kindle本の表紙事前に用意した表紙データをアップロード
Kindle本のプレビューこの項目からレイアウトが崩れていないか確認
Kindle電子書籍ISBNKindleの場合は不要

ここまでの設定を終えると、最後につぎの項目があらわれます。

KDPセレクトへの登録わたしは登録しました(売上促進が期待できるほか、読者がKindle Unlimitedで作品を読めるようになる。つまりダウンロード数が伸びやすい)
出版地域出版対象にする地域を選択
ロイヤリティと価格設定ロイヤリティ(印税率)とKindleの販売価格を設定 ※後から変更可能
本のレンタルロイヤリティ70%の場合は強制的に登録

オプション表記のない項目をすべて設定すると「Kindle本を出版」のボタンをクリックできます。出版手続きをしたあとは審査が行われ、数日のあいだにAmazon上に出版される仕組みです。

自費出版したKindleは販促も著者の仕事

Kindleが出版されたら、SNSやブログを使って「出版しました。このような内容の書籍となっており……」と宣伝しましょう。Amazonには、直近1ヶ月のうちに出版された新着Kindleのランキングページがあり、ランキングの上位に食い込むと一気に購買数が増えます

SNSやブログを使って宣伝をすると、短期的にアクセスが集まりKindleを手に取ってもらいやすくなるため、新着ランキング上位に表示される可能性が高まります。「宣伝なんて恥ずかしい」と思わず、あなたの作品が世に出たことを知らせてください。

もしも出版まで時間があるなら、今日からSNSやブログを始めて「Kindleの読者層に興味を持ってもらえそうなテーマ」で発信すると、出版後の宣伝媒体として活用する準備を整えられます。

Kindleの自費出版に「何円」かかったのか

Kindleを自費出版するにあたり、過去作に費やしたお金は以下の通りです。

  • 自費出版 1作目:15万円
  • 自費出版 2作目:2万円
  • 自費出版 3作目:2万円

1作目が15万円となっているのは、冒頭に述べたデザイナーの方へ全面的なサポートを依頼したからです。もともと「1作目は多少お金をかけても経験者の知見を借りよう」と考えていたため、ある程度の出費は覚悟していました。

表紙作成や企画への意見出し、EPUBファイルの作成やキーワード選定(より多くのAmazonユーザーに検索してもらう施策)など幅広く対応いただきました。

全工程を自ら実践すれば費用は0円ですから、一見すると依頼費用は高く思えます。実際にわたしも「Kindle出版は自己満足に近いだろうし、これほど費用をかけても良いものか」と悩んでいました。

それは杞憂に終わり、1作目は出版直後から大勢に読まれて「やはりお任せして良かった」と感じたことを覚えています。そしてKindle出版の成否を分ける重要箇所はしっかりと見て学び、次作から自走できるよう準備を整えました。

以降、2作目と3作目は表紙作成のみデザイナーに依頼し、いまは1~2万円/冊ほどの費用で自費出版が成立する状態になっています。まとめると、費用感としては以下が相場価格の実状に近いはずです。

出版費用 0円原稿制作、表紙作成、出版手続き、販促活動を自力で行う
出版費用 5~10万円原稿チェック、表紙作成、公開設定のいずれかをプロへ依頼する
出版費用 10~20万円上記を含め、テーマ選定や企画立案まで対応できる人へ依頼する
出版費用 20~60万円出版の実績があり、販促活動に関する知識を持った人へ依頼する

個人出版でもランキング入りするKindleの特徴

Kindle出版以降、Amazonのランキングをたびたび確認するようになり、その習慣によって「どのようなKindleが(個人出版でも)ランキングトップ100に入りやすいのか」の理解が進みました。

身も蓋もないことですが、やはり以下のようなケースであるほど、ランキング入りしやすいように見えます。

  • 親密な関係のSNSフォロワーが多い著者のKindleである
  • SNSフォロワーの多い仲間がいる著者のKindleである
  • ファンの多いブログをもった著者のKindleである
  • 時事性の高いテーマを扱ったKindleである

個人出版の場合、商業出版のように出版社によるプロモーションがないため、どうしても見込み読者へのリーチが弱くなりがちです。

そのため、著者自身が積極的にプロモーションしなければならないのですが、出版前からフォロワーに対して「こんなKindleを作成しています」と呼びかけて期待感をあおり、見込み読者を集めておきやすい〝フォロワーの多い人〟のほうが、ランキング入りを狙いやすいのです。

目安としては、個人出版するKindleに興味のありそうなフォロワーが1,000人もいれば、ランキング入りを狙えるのではないかと読んでいます。ですから、できればKindle出版を検討している段階から、自著とマッチ度の高いフォロワーと繋がれるようなSNS運用を意識するのが理想です。

わたしの場合、ちょうど本業(Webライター)の友達を増やそうとSNS上でよく同業者と交流していた時期でしたから、初出版のときには2,000名ほどのフォロワーがいました。

藤原 将

フォロワーが少ないからといって、個人出版を諦める必要はありません。

それに何冊も出版しているうちに、あなたのKindleに共感した読者がフォローしてくれるので、継続的な出版を前提とするなら大きなハンディにもなりません。

なお、長期的に売れているようにKindleは、SNSによって短期的に人を集めるだけではなくブログ読者をAmazonページへ送客しているように思えます。

そのように工夫する著者を真似て、当サイトに「Webライター初心者におすすめする本」のランキングを記事として用意し、自著を紹介するようにしました。

自身の本を「この本が一位です」と紹介すると嫌味な印象がありますから、特別枠を設けて「こんな本を出しています」と紹介しているのです。

自著を紹介するブログ記事

当サイトに訪問してくださる数千人/月のうち、数十人は本の紹介記事を見てくれますから、そこからKindleが購入されることも予想(具体的な人数の計測方法はありませんが)できます。

Kindle出版というと、どうしてもKindleの原稿を書くことに重きを置きがちですが、原稿の執筆中からプロモーションのための活動も走らせることが大事です。

初めは難しいことに思えますし「たまたま運良くいっただけしょう?」とか「あなたはセンスがあったからだ」と思うものです。しかし、最終的には〝文句を垂れながらでもやった人〟が成果を出すように見えますから、敵ではなく戦友として共に高みを目指していければと思います。

Kindle/ペーパーバック出版を手厚くサポートする一冊
#個人出版の手引き書』は、Kindle・ペーパーバック出版の支援事業を行う弊社が、実務のなかで培った出版ノウハウを集約した記事型コンテンツです。

代表自らも複数冊を出版し、フリーランスや中小企業の個人出版に携わるなかで形にした「知識ゼロから出版するための教科書」をぜひご活用ください。

案内ページにて「自分史シート」を配布中