#個人出版の手引き書

未経験から実務レベルの「Kindle/ペーパーバック出版」を学ぶ
藤原 将

本コンテンツは、個人出版と商業出版を経験し、個人事業主や中小企業のKindle/ペーパーバック出版をご支援するなかで培った弊社のノウハウを集約したものです。本書が画面を超えて価値を提供し、お役に立てることを願っております。

制作者:合同会社ユートミー 藤原 将

はじめに

「個人出版をしてみたい。でも私はまだ有名でもないし、自慢できる実績のある人間でもありません」

出版の志を持ちつつも、このような思いを抱える人は大勢います。その度に「まさか〇〇さんは、有名な著者以外の本を買わないのですか?」と返信してきました。大抵の場合、この言葉は相談者を戸惑わせてしまいます。

しかし、やがて「言われてみれば著者欄を見ずに買うことも多いです。というより、著者を見て購入を決めるほうが少ないかも……」と答えが返ってきます。

そうなのです。私たちが書籍を手にとるとき、必ずしも購入の決定打は〝著者が有名であること〟ではありません。また自慢できる実績がない、という理由も否定材料としては納得感に欠けます。そもそも誰に自慢できる実績であれば出版しても良いのか、その定義すらあやふやです。

ですから、まずは認識の前提を変えてください。
読者が必要とする情報を、読者が理解しやすい形で説明できるなら、その作品は人の役に立ち、愛されます。有名であるとか、実績がどうとか以前に、読者に有用性のある作品を作れるかどうかが重要なのです。

「扱うテーマ、切り口に興味が湧いた」
「表紙にあるキャッチコピーが自分に刺さった」
「読書好きの知人から『分かりやすかったよ』と勧められた」

パッと思い浮かぶだけでも、著者が有名である以外の購買理由が3つ見つかりました。「無名なら出版すべきではない」という思い込みは、出版の機会を奪うことしかしない疫病神のような固定観念です。

本書の筆者は、美容専門学校を卒業して3年ほど美容室に勤務し、勢いのまま独立してWeb業界で身を立てる非エリートです。にもかかわらず、光栄なことに初著作は1万名以上の方に読んでいただき、個人出版した続く2作目、3作目もAmazonベストセラーを獲得しました。

読者の皆さまのおかげではありますが著者の経歴や肩書きが立派かどうかは関係ないということを実感できたのです。


なお、本書は「絶対に〇〇円稼げる」や「個人出版で多額の不労収入を……」などの刺激ある謳い文句を用いて売り出してはいません。

実のところ、私たち著者側に出来ることは4つしかないからです。以下の4つを実践し、その土台に時流と市場と運が上手くかけ合わさったとき、初めて売上や集客力の拡大を実感できます。

  • 良い設計をする
  • 良い執筆をする
  • 良い装飾をする
  • 良い販促をする

ここから語る内容は上記に基づく〝出版前から読者と向き合い、出版物への妥協を極力排除する方法〟であり、それ以上の働きをする裏戦略等ではないことをご了承ください。

その上で、1つルールを決めさせていただきます。


「書きたい本」より
「読みたい本」を書ける人

出版は自由であっていい。弊社も心の底ではそう思っていますが、出版の目的に「少しでも多くの人へ自身のメッセージを届けたい」が加わるなら視点を1つ増やしてください。

有名じゃない、華々しい経歴もない……と自覚があるからこそ、無名著者として出版する1冊目は下記の誰かが〝読みたい本〟を意識してみてください。

  • 昔のあなた
  • あなたの部下
  • あなたのお客様
  • あなたをよく知る友人

上記の誰かに「あなたがこのテーマの本を書いてくれるなら読みたい」と言わせられる本を企画し、書くのです。

例:あなたの部下

私はあなたの部下です。先月から新プロジェクトを任されているのですが、マネジメントが上手くいかずに悩んでいます。周囲に愛されながら成果も叩き出す先輩のノウハウを詰め込んだ『チームマネジメントの解説本』を書いてくれませんか?

例:あなたのお客様

私はあなたから革製品を購入している顧客です。長く使い続けたいのですが、メンテナンス方法がよく分かりません。専門知識がなくても手入れができるように『革製品のメンテナンスに必要な道具・知識の解説本』を書いてくれませんか?

例:あなたをよく知る友人

私はあなたを昔から知る友人です。学生時代から武道に向き合い続けている、あなたのストイックな一面に憧れていました。治安に不安がある今だからこそ、非武道家でも取り入れられる『大切な人を守る護身術の解説本』を書いてくれませんか?

周囲の人に「もし君が出版社の編集担当だとして、私に本を書かせるならどんな題材にする?」と聞いてしまうのも手です。より真剣に話し合える関係なら「個人出版をしたいのだけど、どんな企画が私の知識や経験をもっとも引き出せるだろうか」と素直に聞いてしまっても良いでしょう。

案外、あなた自身が「これを書くと面白いだろう」と思う企画と、あなたの周囲が思う「あの人にこれを書かせると面白そう」という企画は違うものです。

どうしても周囲に企画考案を助けてくれる存在がいなければ、昔のあなたに企画考案を手伝ってもらう手もあります。あなたが過去に思い浮かべていた〝こんな本があれば〟を企画にするのです。

例:昔のあなた

私は昔のあなたです。今、やせ型の体型に悩んでいます。5年後のあなたは、トレーニングに励んで理想の身体を手に入れたそうですね。あなたのサクセスストーリーを交えて『やせ型男子でもマッチョになれる食生活・トレーニングの解説本』を書いてくれませんか?

上記のような具合です。

ここまでに解説した「書きたい本より『読みたい本』を書く」という前提に納得できない方は、本書がゴールとする〝読者のための本作り〟に合わないかもしれません。一方「最初は『読みたい本』を目指す」や「自分の名刺となる1冊を書きたい」とお考えになる場合、本書はお役に立てるはずです。

なお、企画考案を行う際には、あなた自身の略歴をまとめたシートがあると便利です。うっかり見逃してしまう部分に、著者として打ち出すべき魅力が隠れていることも多々あるからです。

まずはシートに略歴を埋めることから始めてください。

この先は製品版『個人出版の手引き書』で公開中

50,000字超 / 画像42枚 / 動画4本
サンプルEPUB / CSSコード等データ付属

下記は製品版『個人出版の手引き書』の目次です。出版時に使用したデータやデザイン設定のコード(CSS)など、実務レベルの内容をかみ砕いて掲載しておりますので、専門知識がない状態でも出版にお役立ていただけます。

製品版の目次
  • はじめに
  • 本書の読者像は「書きたい本」より 「読みたい本」を書ける人
  • あなたの出版の目的を教えてください
  • 個人出版の全体像
  • 弊社を例にした個人出版の効果
    • ロイヤリティ(印税)
    • 出版依頼
    • 本業の新規お問い合わせ
    • 出版支援のお問い合わせ
  • Kindle・ペーパーバック共通の前準備
    1. 読みたい本の企画を5案出す
    2. 届けたい人を明確に設定する
      • 読者設定の合言葉は「つまり、それはどんな人?」
      • 年齢や性別縛りが効果的なケース
    3. 原稿の全体図を決定する
    4. KDPアカウントを開設する
  • Kindle出版
    1. 原稿を執筆して推敲する
      • 実用書の文章は「結論、補足、さらに補足、結論」
      • 文章には適度に「余白」を与える
      • 箇条書きを駆使して「読む文章」から「見る文章」へ
      • 読者のレベルに合わせた言葉選びを
      • 原稿執筆に使用するソフトはどれを使う?
    2. Kindle本の表紙画像を用意する
      • 原稿内に使用する画像の制作
    3. 原稿を装飾してEPUB化する
      • マークダウン記法を使い原稿を装飾する
      • EPUB化を追体験いただける「体験型資料」をご用意しました
      • 作成したEPUBデータをあらゆる端末で閲覧してみる
    4. EPUB化した原稿をKDPに入稿する
      • 「Kindle本の詳細」を設定する
      • 「Kindle本のコンテンツ」を設定する
      • 「Kindle本の価格設定」を設定する
    5. 細部を調整して出版する
  • ペーパーバック出版
    1. あなたの本のモデルを見つける
    2. 判型・余白・組み方向・フォントを決める
      • 判型
      • 余白
      • 組み方向
      • 文字サイズ・行数・文字数
      • フォント
    3. 原稿を整理して装飾する
      • 文章をきれいに収める配慮
      • ペーパーバックの装飾
      • 装飾済みの原稿をPDF化
    4. ペーパーバックの表紙画像(PDF形式)を用意する
      • ペーパーバックのページ数に合った表紙寸法を算出
      • ペーパーバックをデザイナーへ委託する際のポイント
    5. PDF化した原稿をKDPに入稿する
      • 「ペーパーバックのコンテンツ」を設定する
      • 「ペーパーバックの価格設定」を設定する
    6. 校正刷りを経て出版する
  • 出版前にできる販売促進・集客の準備
    1. 書籍の検索キーワード設定
      • 企画の主要キーワードから関連語句を抽出
      • 類語表現によるキーワードの発掘
      • 検索ボリューム調査ツールの活用
      • さらなるキーワード発掘に役立つ連想方法
      • サジェスト・検索ボリュームにあらわれない「トレンド」も有効
    2. 発信媒体の開設と運営
      • SNS
      • ブログ
      • プレスリリース(設立直後の法人のみ)
      • 実際の活用例(弊社の例)
  • 出版後の販売促進・集客
    1. 発信媒体で「出版記念セール」を告知する
      • 無料キャンペーン
      • 割引キャンペーン
    2. 穴場カテゴリーを見つけて申請する
      • Amazon売れ筋ベストセラー
      • 穴場カテゴリーを探す方法
      • 穴場カテゴリーに自著を参加させる方法
    3. 電子書籍の推薦を行う
      • Kindle本セール
      • Prime Reading
    4. 読者にレビュー投稿を求める
      • SNSに感想を投稿する読者を探す
      • ブログに感想を投稿する読者を探す
      • 家族や友人に感想を求める
    5. A+ コンテンツを設定する(任意)
  • Kindle本のデザイン編
    1. Kindle原稿の装飾に欠かせない「CSS」について
      • でんでんコンバーターの標準CSSはシンプル
      • コピペ利用可能、弊社が使用しているCSSの一例
      • CSS編集に使用するソフトウェアの紹介・使い方
    2. 表紙デザインの作成を委託するデザイナーの探し方
      • クラウドソーシングで探す
      • ココナラで探す
      • Twitterで探す
    3. デザイナーへ依頼するとき伝えるべきポイント
    4. 表紙作成を依頼した際のやり取り
    5. フォント商用利用を問い合わせ時
  • おわりに

購入手順はお買い求め方法のページで解説しております。また、購入に際して不明点・疑問点がある場合には、お問い合わせページからご連絡ください。