WEBライティングは、メディアに「集客」と「共感」と「成約」をもたらすスキルです。
ある程度はテンプレート化されており、センスに頼らずとも覚えれば使える〝後天的な能力〟ですから、WEB集客に関わる全員が身につけるべきものだと思っています。
なにも業界一のスキルを習得する必要はありません。いくつかのテンプレートを覚えておけば、その組み合わせを駆使するだけでも案外上手くいきます。
- 抽象から具体
- PREP、PERP
- 誘起・結果・証拠・共鳴・信頼・ストーリー・クロージング・PS
ひとまず、これだけで十分です。
ほかにも、QUEST・PASONA・AIDMA・AISAS・BEAF・CREMAなどテンプレートは無数に存在しますが、少数に絞って覚えたほうがスキルは早く身につきます。
平泳ぎ、背泳ぎ、クロール、バタフライ……
欲張って全部練習しても一点突破の同期に勝てないように、焦って幅広いスキルを学ぼうとすれば、かえって遠まわりをしてしまうのです。
最短を行くお手伝いをさせてください。
この記事の執筆者

2018年からフリーランスライターとして主に法人メディアの記事制作に従事。
ランサーズ株式会社より「ランサーオブザイヤー2021」を受賞。大和出版『文章起業』など文章を題材にした著書複数。2022年からYouTube運営に注力。
伝わりやすさピカイチ「全体から個別」

「全体から個別」は、物事を体系的に伝えるときに活躍します。「抽象から具体」「概論から各論」など、ほぼ同義の呼び方はいろいろありますが、ここでは全体から個別と呼びます。
- 全体:これから話すテーマの全体像
- 個別:具体性を一段上げた個別要素
とくに難しい文章術ではありませんが、いま書いている部分が全体像なのか個別要素なのか意識すると、よほど高度な情報を扱わない限りは読みやすく仕上がります。
文章が散らばってしまうことに悩んでいる場合、まっさきに取り入れていただきたいテンプレートです。
1つ例文をご用意しました。「全体から個別」がどのように作られているのか、参考になれば幸いです。
【全体】
読者の納得を誘い、共感を呼び、行動を促す文章を書くにあたり、よく活用されるWEBライティングのテンプレートはつぎの3つです。
▸ SDS法
▸ PREP法
▸ AIDMAの法則
それぞれのテンプレートについて、具体的な構成や使い方を解説していきます。
【個別①】
SDS法は「概要→詳細→概要」の順に文章を展開するテンプレートです。使いどころとしては……(諸々の解説が続く)
【個別②】
PREP法は「結論→理由→例示→結論」の順に文章を展開するテンプレートです。プレゼンテーションでは……(諸々の解説が続く)
【個別③】
AIDMAの法則は「注意→興味→欲求→記憶→購入」の順に文章を展開するテンプレートです。「もう古い」などと言われますが……(諸々の解説が続く)
読者の納得を勝ち取るなら「PREP、PERP」

「PREP、PERP」は、ある主張を読者を納得してもらいたいときに活躍します。アルファベットはそれぞれ以下のような意味を持っています。
- P:結論、主張、話題の核心
- R:Pを補足する理由、根拠
- E:Pを補足する具体例
これらを組み合わせて〈P結論→R理由→E例示→P結論〉の順に論理展開する型をPREP法と呼びます。WEBライティングを勉強していると、PREPの解説はそこかしこで見かけるはずですから、本記事では深掘りしません。
代わりに、もう一方のPERPを覚えてかえっていただければと思います。PERPは、読者の関心を誘うときに使えるテンプレートです。
※セールスライティングを学んだあと、筆者が「PREPのRとEを逆にすると別効果を得られるのでは」と考えて勝手に呼称してきた造語ですので、その点をあらかじめご了承ください。
「結論のあとに例示から入る」というごくシンプルなアレンジなので、すでにPREPをご存じの方なら簡単に使っていただけると思います。PREPとPERPの違いを解説するために、簡単に例文を用意しました。
【PREP】
P:〇〇は素晴らしい
R:素晴らしい理由は■■だからだ
E:たとえば〇〇を活用したこんな例がある
P:〇〇の素晴らしさが伝わると嬉しい
PREPは、読者がある程度その結論に関心があるときに機能すると考えています。
一方、想定読者が属するクラスターに認知されていない、ある種〝理解できない〟概念や商品は「その結論がどう作用するのか」を例示で先出ししたほうが、文章が上手く機能すると考えています。
【PERP】
P:〇〇は素晴らしい
E:〇〇を使い、■■になった例がある
R:なぜ■■になれるのかと言うと……
P:〇〇の素晴らしさが伝わると嬉しい
まだあなたも、あなたの周囲もガラケーを使っており「スマートフォン」を知らない……と仮定して、つぎの文章を読んでみてください。先ほどの例文に具体的な内容を当てはめてみました。前者がPREP、後者がPERPです。
【P 結論】
スマートフォンは素晴らしい。
【R 理由】
なぜ第一線のビジネスパーソンが絶賛するのか。その理由は、スマートフォンがパソコンと同様にWordやExcelを閲覧、編集できることにある。スマートフォンを使えば、移動時に手元で資料を確認したり、部下が作成した文書に赤入れしたり、あらゆる作業が片手で完結する。片手さえ空いていれば使える、ポケットサイズのノートパソコンなのだ。またスマートフォンは電話であるから、業務中に着信があればそのまま連絡手段としても使える。
【E 例示】
スタートアップ企業の役員〇〇氏は、従来型の携帯電話からスマートフォンに持ち替えたことで、仕事量はそのまま実質的な業務時間をまるっと半分にできたそうだ。
【P 結論】
これはスマートフォンが持つ能力のほんの一部。少しでも素晴らしさが伝わったなら嬉しい。
できる限り関心を引けるように書いてみましたが、おそらくガラケーが当たり前だった時代なら「どうせ中途半端な発明品だろ? 流行ることなく消えそう」と受け流されそうです。
つぎに文章はほぼそのままにして、RとEを入れ替えた文章を用意しました。掴みの早さを意識しています。
【P 結論】
スマートフォンは素晴らしい。
【E 例示】
スタートアップ企業の役員〇〇氏は、従来型の携帯電話からスマートフォンに持ち替えたことで、仕事量はそのまま実質的な業務時間をまるっと半分にできたそうだ。
【R 理由】
なぜ業務効率が上がったのか。その理由は、スマートフォンがパソコンと同様にWordやExcelを閲覧、編集できることにある。スマートフォンを使えば、移動時に手元で資料を確認したり、部下が作成した文書に赤入れしたり、あらゆる作業が片手で完結する。片手さえ空いていれば使える、ポケットサイズのノートパソコンなのだ。またスマートフォンは電話であるから、業務中に着信があればそのまま連絡手段としても使える。
【P 結論】
これはスマートフォンが持つ能力のほんの一部。少しでも素晴らしさが伝わったなら嬉しい。
今回は、比較としての分かりやすさを重視して文章を変えていませんが、本来は「PREPとPERPが同じ文面」になることはありません。ですので本領発揮まではあと一歩足りていないのですが、ニュアンスが伝われば幸いです。
現代の万能セールステンプレ「誘起~PS」

誘起・結果・証拠・共鳴・信頼・ストーリー・クロージング・PS
わたしがこのテンプレートと出会った記事は、株式会社FREE WEB HOPEの相原社長が執筆した「5年間のランディングページ制作で行き着いた鉄板の構成と7つのポイント」でした。記事タイトルからも分かるように、このテンプレートはLPに使う〝セールスに強い構成〟です。
以前からQUESTフォーミュラや新・PASONAの法則など、セールス系のテンプレートをいろいろかじって試していましたが、あまりピンと来るものはありませんでした。しかし、知人から上記の記事を紹介されて、実践したところ手応えがあったのです。
やや筆者の解釈も混ざっていますが、相原社長が記していた文章構成は以下の通りです。
- 誘起:読者にもたらす変化(体験)
- 結果:商品がもたらす結果(数字)
- 証拠:結果を得られる根拠
- 共鳴:既存ユーザーの感想
- 信頼:権威につながる情報
- 物語:商品が生まれた背景
- 訴求:成約へ導く購買喚起
- 追伸:即買うべき理由付け
これを1記事内で順番に行います。あまり具体的な文章例を出すと、かえって発想の邪魔になると思い控えていますが、需要があれば実際のランディングページをもとに解説を入れます。ぜひ、コメントやお問い合わせから「セールスライティングも具体的な例文が欲しい」と一言メッセージをください。
なお、セールスライティングと言うと「価値のないものへ購買の動機をこじつけて売る文章」を想像しがちですが誤解です。
上記を始めとするセールスライティングのテンプレートは、本来その多くが「この商品を手に入れれば幸せになる人」を選別し、確実に手に取っていただくための手法です。手法そのものに善悪はありません。使い手に悪意があれば黒いセールスに、使い手に善意があれば善いセールスになるのです。