最近、脱・初心者ライターさんの発する、「Webライタ-って需要なくなるのかな」という不安の声がよく耳に届きます。
主な論調は、記事コンテンツ業界の陰り、Webライタ-の飽和を懸念材料として仕事が減っていくというもの。
しかし、Webライタ-を始めて5, 6年目になる僕の感覚では、今後もWebライタ-の需要がなくなることはないと考えています。
今回は、Webライタ-の需要がなくならない理由、および「どうしても不安だ」という状況を打破する戦略についてご説明します。
「不安だけれど、Webライタ-として働き続けたい」という熱い方は、ぜひご一読ください。
今後、Webライターの需要はなくなるの? 主な不安と反論
結論から言えば、Webライタ-の需要は今後もなくならないと考えています。
- 個人運営のメディアに逆風が吹いている
- AIライターが登場しつつある
- すでに多くのWebライターが参入している
こういったネガティブな要因がありつつ、どうして「Webライタ-の需要はなくならない」と予想できるのか、順に理由をご説明します。
個人運営のメディアに逆風が吹いている
2020年現在、法人が運営するメディアに比べて、個人運営のメディアはGoogleの検索エンジンで評価されづらいと言われています。
つまり、個人運営のメディアは、稼ぎづらい時代に突入したと評価されているのです。
結果として、Webライタ-に仕事を発注する個人のメディア運営者が減り、Webライタ-の需要がなくなるのではないかと予想されています。
しかし、個人運営のメディアから得られる仕事が減ったとしても、Webライタ-の需要がなくなる理由にはなりません。
個人運営のメディアが不調になる一方で、法人運営のメディアは勢いを増しており、法人がWebライタ-に仕事を発注しているからです。

自身がメディア運営者なら、いまの状況は深刻かも知れませんが、個人・法人を問わず仕事を得られるWebライタ-にとって影響は大きくありません。
AIライターが登場しつつある
AIの発達により、いずれWebライタ-が不要になるのではないかと心配する意見もあります。
確かに、昨今AIを利用したサービスの多様化は目覚ましく、あらゆる分野で “AI” の文字を見るようになりました。
そして、現に日本語に対応した「AIライター」なるツールは存在します。
僕も試しに、いくつかのキーワードをもちいてAIライターのサービス「Articoolo」を使って記事制作を実行しました。
以下、完成した文章から一部を抜き出したものです。
- インジェクションを防ぐためにユーザー入力をエスケープする必要があることです。
- 保存されたパスワードはすべて盗んだとしてもハッカーにとって役に立たないという考えを持ち合わせていません。
※「Articoolo」の試用機能により作成された文章の一部
ご覧の通り、まだ文章は拙く、日本語として成立しているとは言えません。
AIは指数関数的(ある段階から加速度的)に発展するとされており、今後急激に成長していくことも考えられますが、人間のクリエイティブな部分を代替する手段として導入されるまでには少し時間を要しそうです。




すでに多くのWebライターが参入している
すでに多くのWebライターがおり、飽和状態にあることから「1人あたりの仕事量が減っていく」と不安に思う意見もあります。
確かに、Webライタ-の数は増えているような感覚はあり、クラウドソーシング上の掲載案件に対する応募倍率は明らかに高くなってきました。
とは言っても、発注者側として仕事を依頼する僕の意見としては、まだまだ “提案力の高いWebライタ-” は少ない印象。
テンプレ感のあるチープな提案文が多く、「この人に任せても大丈夫かな」と不安になるシーンは珍しくありません。
競争激化により効率重視の人が増えるなか、提案~契約という入口部分にあえて時間をかけることで、丁寧にお客さまのニーズを拾っていけば仕事はまだまだ溢れています。
需要の増減に怯えないためのWebライタ-の戦略
ここまで「Webライタ-の需要はなくならない」のだと解説してきましたが、これだけでは不安を払拭できない人もいるかと思います。
そこで、どうしても今後が不安なWebライタ-に勧めたい、安定重視の戦略を2つご紹介します
事業拡大を意識しつつWebライタ-として働く
いま、専業のWebライタ-として活動しているなら、“事業拡大” を念頭に活動することをおすすめします。
事業拡大と一口に言っても、方向性は多岐にわたります。
- Webライタ-を軸に、動画・サイト制作などコンテンツ作りを手広く行う
- Webディレクターに就いて、外注・雇用を活用しつつ作業量を増やす
- Webライタ-を軸に、リアルビジネスを展開する
たとえば、僕の場合はWebライタ-としての活動範囲(ジャンル)を広げつつ、動画編集やサイト制作にも手を出しています。これらは、Webライターとしての実績を転用して、仕事を獲得しやすいからです。
・動画編集者兼ライタ-なので、テロップの文章読みやすくできますよ
・サイト制作者兼ライターなので、サイト制作後に記事制作もやりますよ
上記のように付加価値の武器に提案することで、同程度のスキルを一本だけ持った動画編集・サイト制作者よりもマッチが成立しやすく、スピード感をもって事業拡大を進められます。
雇用されつつWebライタ-として稼ぐ
大きな熱量を注げる事業がなかったり、事業拡大に魅力を感じなかったりする場合は、会社員やバイトとして雇用されつつWebライタ-としても稼ぐ方法も候補に挙がります。
Webライタ-の需要や将来性に抱く懸念の正体は、つまるところ「急にライターの仕事(収入)がなくなったら……」という不安。
これ解消するにあたり、簡単に解雇される心配がなく、安定した継続収入を得られる “雇用” を活用することは有効です。
たとえば、専業ライターとして働く場合、保険料は自身ですべて負担しなければなりません。




一方、雇用されつつWebライタ-を並行して行う場合、所定の要件を満たせば雇用先で社会保険(健康保険・厚生年金)に加入できるため、保険料の負担額は会社と折半になります。
これにより、保険料の自己負担額を抑えつつ、厚生年金を積み立てて将来の安心に備えられるのです。
「ライターに割く時間が減ったとしても安心を取りたい」と考えるなら、“Webライタ-+雇用される“ というスタイルは魅力的な選択です。
Webコンテンツの需要増加を示唆するデータ
まだ出していない需要がなくならない理由、もう1つありました。
下記画像は、シニア層を対象としたスマートフォン利用者の割合を示したもの。数年のうちにグイグイと利用者は増えてきており、シニア層のITリテラシーが高まっていることを連想させます。


「これだけでは、ITリテラシーが高まっていると言えないだろう」と思われるかもしれません。
しかし、下記のデータから、シニア層の格安SIM利用率上昇を読み取れます。


これをITリテラシーの高まりと言わずして、何と言いましょう。
こうした背景から、日本人口の多くを占めるシニア層が、Webコンテンツの消費者に加わることを予想できます。
まとめ
ここまでご説明したように、実際のところ “Webライタ-を淘汰する要素” は多くありません。
2020年度に懸念されている、コロナウイルスを起因とした不況こそ不安ではあるものの、長期目線で見ればWebライタ-はまだまだ必要とされる存在という意見が僕の結論です。
どうしても不安な場合には、中盤以降に触れた事業拡大なり雇用の活用なりを意識した、Webライタ-としての生存戦略を参考にしてみてください。
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