ステップメール1通目の書き方に続き、2通目の書き方を解説します。いろいろな書き分け方に触れると1記事で数万字になってしまうため、ここでは「これを押さえれば2通目で大失敗しない」というレベル感を目指す書き方を紹介します。
細かなテクニックどうこうより「ステップメール2通目にどんな役割を持たせれば良いのか」といった土台部分の課題をお持ちの方は、ぜひそのまま読み進めてください。法人・個人のステップメール制作を複数手がけ、自らも自社のメルマガ設計を行う筆者の知見を共有します。
この記事の執筆者

2018年からフリーランスライターとして主に法人メディアの記事制作に従事。
ランサーズ株式会社より「ランサーオブザイヤー2021」を受賞。大和出版『文章起業』など文章を題材にした著書複数。2022年からYouTube運営に注力。
――ステップメールの全体像解説はこちら
ステップメール2通目の役割
当ブログにおいて、ステップメール2通目は「本登録完了の翌日(登録後1日目)に届くメール」と定義します。
1通目では「ここで配信される内容は自分にマッチしているし、発信者も信頼できそうだ」と思われることを目標としますが、2通目は「この発信者の価値観は私にもよく馴染む」と感じてもらうために配信します。タイトルにもある〝仮想敵〟を作ることで価値観の向きを揃えるのです。
読者と発信者の価値観を同じ方角へ向けることで、ステップメールで最終的に案内したいプロダクトを受け入れてもらう土台作りを始められます。
たとえば、架空のステップメール『仕事獲得の強化塾』で最終的に【無営業でも受注できる発信営業術】というコンテンツを読者へ案内するなら、2通目の段階で〝仕事獲得のために営業時間を増やす状況〟を仮想敵(の一例)とするのです。
リフォーム業者のステップメール『令和の低費用リフォーム術』で、最終的に【セルフDIYセミナー】を読者へ案内するなら、2通目の段階で〝無計画な丸投げ委託の高額リフォーム〟が仮想敵(の一例)に……
整理整頓アドバイザーのステップメール『整理整頓を歯磨きレベルに習慣化!』で、最終的に【生活スタイルから変える整理整頓塾】を読者に案内するなら、2通目の段階で〝整理整頓の難度を上げる忙しい現代社会〟が仮想敵(の一例)になります。
仮想敵を聞かされたとき、読者に「私もそう思っていた」や「言われてみれば確かに」と感じてもらえれば、プロダクトのセールス時に耳を傾けていただける可能性が上がります。
なお、特定の人物や組織を仮想敵に定めることはおすすめしません。「打倒、GAFA!」くらいスケールが大きければ話は別ですが、個人や一企業を攻撃する倫理的問題を抱えた発信者だと思われる懸念があります。
仮想敵をうまくイメージしてもらうためのコツ
仮想敵を設定するにあたり「〇〇は悪だ」と連呼する必要はありません。星そのものを縁どって描く方法と、星の周囲を塗りつぶして描く方法があるように、仮想敵も〝2つのアプローチ〟を使って描けば良いのです。

架空のステップメール『仕事獲得の強化塾』を例として、読者に「仕事獲得をするならストック性のある集客を用意しつつ、自分自身の営業決定力を高めるべし」という理想像を示したいなら、縁どりと塗りつぶしはそれぞれ以下のようにあらわせます。
- 「営業マンとして働く集客ブログ」を作って細々と自動集客を行い、あなた自身の営業力も上げて〝決め打ち力〟を育めば仕事獲得は楽になります。
- 「仕事が減ったらその都度営業」といったやり方を続ける限り、仕事獲得には焦りが付きまといます。
(上記は簡単な一例ですが)このようにポジティブな切り口とネガティブな切り口を用意し、多角度から光を当てて理想像を浮かび上がらせるのです。そうすれば、読者は発信者が思い描く「こうあるべき」という状態をより鮮明に理解し、それを良しとする価値観に共鳴してくれます。
まとめ
ステップメール2通目の書き方として、ネット上には「社会的証明を入れなさい」「1通目を復習する内容にしなさい」といった助言があるものの、そこまで型で縛らなくても良いのでは……と感じています。
ステップメールはメール配信を許可してくださった読者に届けるコンテンツですから、もっと真っすぐ心で会話する内容へ寄せても良いのではないかと思うのです。
もちろん、ステップメールはゴールに向けて書き進める必要がありますから、セールスが近付くにつれて〝あるべき方向性〟は明確化されていきます。だからこそ、走り出したばかりの段階(1通目や2通目)では肩ひじ張らず読者と対話すれば良いと考えています。
今回、お伝えしたメッセージが「ステップメール2通目では仮想敵を設定しよう」という大枠の主張にとどまっているのは、そういった意図がありました。ぜひ参考にしていただければ幸いです。