自身が運営しているブログのリライトを進める場合と、Webライターとしてクライアントの記事をリライトする場合では、勝手が大きく異なります。

Webライターとしてリライトを担当する際は、記事の閲覧数・クリック数・流入クエリ等のデータを開示してもらえないケースが多々あるからです。

今回は、限られた情報をもとにリライトを進めて、それでもクライアントに高い満足度を提供する方法をご説明します。

リライト業務は依頼料が安価になりやすいものの、僕はこの方法でクライアントの信頼を勝ち取り、いまは1本1~2万円でリライト業務を任せていただいています。

この記事の目次(クリックで飛びます)

1.リライトの主な目的はPVとCVの改善

リライトを行うにあたり、Webライターに課せられるミッションは以下の2つです。

  • 既存記事のPV(読まれる回数)を向上させる
  • 既存記事のCV(成約する回数)を向上させる

古くなった情報の書き換え・ブランドイメージと異なる記事内容の刷新など、厳密に上記2つだけではないものの、今回は大半のリライト業務であるPV・CVの改善について解説します。

前提として「データの開示なし」という条件のもと、どのようにリライトを進めていけば良いのか一例を示します。

なお、PV数もCV数も開示されていない条件下で、あえて両指標を意識してリライトを進める意図は、クライアントに「こういった意図でリライトしました」と報告するためです。

2.PV改善のためにWebライターが行うリライトとは

PVを改善するためのリライトでは、主にタイトルと記事設計を変更していきます。

PVが伸び悩んでいる原因として、つぎのような要素が関係していると考えられるからです。

  • タイトルが読者の興味を引いていない
  • 検索キーワードに対するニーズと記事内容の不一致

これを改善するため、Webライターが行う具体的なアクションは6つ。

  1. 検索キーワードをGoogleのシークレットモードで検索
  2. 表示された上位記事から「読者が知りたい情報」を把握
  3. 上位記事から「どのような読者が見ているのか」を逆算
  4. 3をもとに想定読者を再設定
  5. 「想定読者が読みたい情報」を洗い出して記事を再設計
  6. 「想定読者が知りたいこと」を短くしてタイトルに使用

普段、キーワードから新規記事を設計し、構成案を作成しているWebライターであれば、いずれも馴染みのある作業です。

決定的に違うのは一点のみ。新規記事はこれから「1つ目の仮説」を検証する一方、リライトは「前回失敗した仮説」を再定義するという点で異なります。

(1)想定読者の再設定にあたり必要となる2つの要素

6つのアクションは、いずれも大切なポイントではあるものの、特に注視すべき項目は「想定読者の再設定」であると考えています。

ただし、想定読者の再設定と聞いて、記事で扱う"テーマの方向性"のみに注目していては完璧なリライトに繋がりません。

テーマの方向性は、上位記事を眺めていれば誰でも読み取れるもの。だから、それだけで読者ニーズを分かった気分になり、誤った前提条件のまま進めてしまうケースがあるのです。

想定読者の再設定を進める際には、テーマだけでなく"読者のリテラシー"にも注目しなければなりません。

リテラシーを読み解く一例を提示します。

(2)実際の読者と想定読者にリテラシーの乖離を作らない

6つのアクションを踏まえて、リライト対象記事の想定読者を再設定する際、読み手のリテラシーについての考察を省いてはいけません。

読み手がどれほどの知識を持っていて、どのくらい深く物事を考えているか把握しないままでは、適切な情報を提供できないからです。

たとえば、以下のような2つのキーワードがあったとします。

  • 株 デメリット
  • 株 含み損 解消法

前者は検索キーワードの意図が大まかであり、投資知識の乏しいユーザーが「株のデメリットはどんなものがあるの?」と、全体的なデメリットの解説を求めています。

ですから、リテラシーの低い読者に向けて専門用語をかみ砕きつつ、網羅性を意識して広く浅くデメリットを解説していけば良いとイメージできます。

一方、後者は含み損(株の時価が取得単価を下回った状態)という、具体的なワードを使用していました。

株の基礎知識はすでに理解しており、それなりに専門用語を使っても通じる状態だと想像できるので、狭く深く悩みに迫るイメージで書き進めます。

低リテラシー層に難しい言葉を使えば「理解できない」といって離脱され、高リテラシー層に易しい解説をしても「記事の情報密度が薄い」といって離脱されるため、つい見落としがちなリテラシーの把握は非常に重要なのです。

3.CV改善のためにWebライターが行うリライトとは

Webライターが制作するコンテンツは、純粋に知識提供だけを目的とした記事と、知識提供をしたのちにアクションを促す記事の2種類に大別できます。

前者をリライトする場合は、先ほど解説したPV重視のリライト方法で問題ありませんが、後者をリライトする場合は「アクションを促す文章」を挿入して、CV(成約)率を高める記事に変身させる必要があります。

  • クライアントが「この記事で商品を成約させたい」と言う場合
  • 元々、CVを狙って書かれていた記事をリライトする場合

上記のような場合、CV改善を強く意識してリライトを行うこととなります。

(1)アクションを促す文章は自然さを意識して挿入する

明らかに広告臭い文章を見かけたとき、多くの人は怪しさを感じます。

そういった文章は「前後の文脈を無視している」という特徴を持っているケースが多々。脈絡なく、唐突にアクションを促されるからこそ、強烈な違和感を覚えるのです。

リライト対象の記事に、そのような訴求部分が見られる場合は、不自然さを消すため訴求の前後にきっちり根拠を提示してください。

  1. ところで、投資と言えば◯◯がおすすめ!
  2. 投資の失敗を招く原因は9割が〜〜です。これを回避するため設計された商品の1つに◯◯があります。◯◯は、失敗の原因である〜〜を避けるため、〜〜理論を応用したもの。

前者のような強引な売り込みをテンプレとして、各記事の本文中に挿入しているケースは最悪。

どの記事を見ても、脈絡なく同一商品の◯◯をおすすめしていたら、宣伝臭が強すぎて読者は離れていきます。

後者のように「なぜ、このタイミングで紹介したのか」を順序立てて理解できる文脈でなければ、読者に納得させて成約まで導くことは困難なのです。

  • お問い合わせを促す
  • 資料請求を促す
  • SNSのフォローを促す

どのような成約をゴールとする場合であっても、これは同じです。

(2)明確に何をすれば良いのか読者に示し、断定する

文脈が自然であっても、読者を戸惑わせる文章があります。

それは、読者に「何をすれば良いのか」をはっきりと示していない文章です。

  1. ◯◯も良くて、△△も素晴らしい。✕✕も捨てがたいですね。
  2. 最初は、定番である◯◯を選べば失敗はないでしょう。

前者は結局要素の優先順位が分からず、読者にアクションを促す力が弱くなっています。一方、後者は「◯◯を選ぶことが正解」だと明確に分かるため、読者は迷いなくアクションを実行できます。

ときに、断定する行為は恐れ多く感じるものの、濁した言葉で人を動かせはしません。

正しい主張を書いているのであれば、読者に具体的な道筋を示すことがユーザーファーストに繋がります。

4.リライト業務に付加価値を付ける報告のテクニック

ここまでの作業によって、PV・CVを改善するためのリライト業務は完了です。

しかし、クライアントにリライト完了を報告する際にも、意識して欲しいポイントがあります。

  • PVを伸ばすため、具体的に改善した点
  • CVを伸ばすため、具体的に改善した点

これらを、リライト完了の報告メッセージに盛り込んで、リライト効果に対する期待感を高めてもらうのです。

新規記事の作成とは異なり、リライト業務はコンテンツを増やす施策ではないため、クライアントによっては"成果が見えづらい仕事"だと捉えられるケースも多々。

Webライターに何をやってもらったのか、本当に投資する価値はあったのか疑問に思われるケースがあるのです。

このような不安を抱いているクライアントに対し、コンテンツ制作のプロとして「伸び悩みの理由は恐らくこれです。改善するため該当部分を重点的にリライトしました」と施策内容を伝えることは非常に大切です。

何をやってもらったか明確に教わることで、見えない仕事にも価値を感じられるもの。装飾品の補強コーティングとか、物件の補強工事とかの類と一緒です。

ここまで気を抜かずに徹底することで、Webライターはリライト業務の効果を最大化できます。

5.まとめ

記事の各データを開示してもらえず、限られた情報をもとにリライトを進める場合は、想定読者の再設定から行うことを推奨します。

問題は根本的な部分に潜んでおり、中途半端にちょこちょこと手を加えても効果に繋がらないケースが多いからです。

これでは、クライアントの満足度向上を期待できず、実力不足のレッテルを貼られる場合がほとんど。

今回ご紹介した、PV・CVを意識した記事のリライト方法、およびクライアントに報告する際のポイントを押さえて、リライト業務でもバシバシ成果を出していきましょう。