藤原 将

    筆者はSEO記事、電子書籍、メルマガ等の執筆を得意とする歴7年目の社長ライターです。
    ――Twitter著書電子出版社

    あちこちで「過去案件に営業をかけると仕事とれるよ」と勧めているのですが、Twitter友達から「具体的にどういった文面で応募するといいの? 過去案件の応募はハードル高いから解説よろしく」と意見をいただきました。

    今回は、クラウドソーシングの過去案件(掲載終了済の案件)に営業をかけるとき、どのような手順・内容で営業メッセージを送れば良いのかご説明します。

    たった4ステップで「あなたに仕事を任せたい」と言われるアプローチができるようになるので、今日から真似して活用してみてください。

    1.過去案件に営業をかけるとは? 簡単におさらい

    クラウドソーシングから仕事を探すとき、新着案件のみチェックしている方が多いように思います。

    しかし、すでにライター募集を終了している過去案件に営業をかけるほうが、良い反応をもらえて仕事につながる確率が高いと感じていました。みんな過去案件にはアプローチしないので、そもそも競争倍率が低いのでしょう。

    また、新着案件の掲載をチェックしたタイミングで、都合良く得意なジャンルのお仕事が見つかるとは限りません。

    一方、過去案件から得意ジャンルの案件を発掘する場合、検索結果は “過去に掲載されていたすべての案件” となるため、営業先は無数にあります。

    こういった理由から、なかなか新着案件にあがってこないニッチな分野を得意とするライターさんほど、掲載終了済の案件にアプローチをかける手法は有効だと考えています。

    なお、過去案件から仕事を探すとき、どのような方法で “高単価になりやすい案件” を探せば良いのかは、藤原将軍のライティングメルマガにてご紹介しています。

    新規顧客の開拓方法をハックしたい方は、ぜひご登録いただければと存じます。

    関連記事:藤原将軍のライティングメルマガを始めます

    2.過去案件に営業をかける際のメッセージ作成手順

    過去案件に営業をかける際、どのようにメッセージを作ると良いのか解説していきます。

    1. 得意ジャンルの過去案件を探す
    2. 募集文・リンク・会社HPを参照
    3. 発注者がいま募集をしていない理由を予想する
    4. 営業メッセージを理由別に書き分けて送信

    今回は、僕が普段から利用しているランサーズを例にしますが、クラウドワークスでも類似項目があるため再現可能です。

    (1)得意ジャンルの過去案件を探す

    以下のように「募集中の仕事のみ」からチェックを外し、募集が終了している案件も表示する状態にしてください。

    出所:Lancers

    クラウドワークスなら、以下画像にある赤線部分から “募集が終了した案件の表示・非表示” を切り替えられます。

    出所:CrowdWorks

    このほか、文字単価の絞り込みを始め、細かい条件は自由に設定していただいて問題ありません。

    ただし、ニッチなジャンルの場合は、条件を絞りすぎると検索結果が少ない or ない状態になるため、最初は文字単価の絞り込みだけで良いような気がします。

    一連の条件を設定したのち、検索キーワードを入力する欄に “自身が受けたい仕事(ジャンル)” を入力していきます。

    僕であれば、株式投資や不動産投資、太陽光発電投資の記事制作を得意としているので、これら3つのいずれかを検索キーワードの欄に入力。今回は「不動産投資」で検索をかけてみました。

    スクリーンショットの画面

自動的に生成された説明
    出所:Lancers

    早速、トップから募集終了の案件がでてきました。スクロールして順に内容を確認し、提示されている条件が優良であるものをピックアップしていきましょう。

    (2)募集文・リンク・会社HPを参照

    とくに気になった過去案件は、募集文から “発注者が求めるライター像” を予想し、できる限り「自身はあなたが求めているライターですよ」とアピールできるよう準備していきます。

    まず、募集文をざっと見て、募集文の要所を押さえていきます。募集文を全文引用すると長いので、オーソドックスな募集文を掲げている過去案件を短縮化しました。

    【SEOライティングできる方】マンション投資に関連するコラムの執筆【継続の場合あり】

    弊社は、都内にて「区分中古マンション投資」を資産運用の一手法としてご提案している企業です。このたび、弊社運営メディアのSEO記事作成をお願いしたいと考え、ライターさまを募集しました。

    ■依頼概要

    内容:SEO記事の執筆
    文字数:3,000字程度
    単価:1文字3円(税別・手数料込み)
    画像:ライターさまに選定・挿入いただきます。
    弊社メディアのURL:https://〜〜〜〜〜

    ■記事テーマ

    不動産投資に関するテーマで執筆いただきます。たとえば、以下のようなテーマです。

    ・「不動産投資 リスク」
    ・「オリンピック 東京 不動産」
    ・「マンション 減価償却」

    これらのキーワード・構成案はこちらからお渡しします。また、ご自身が執筆しやすいテーマがございましたら、ご提案いただければと存じます。

    ■応募条件

    ―ライターさんに求める必須条件
    ・条件や納期を厳守していただける方
    ・継続発注させていただく場合、月5記事以上の作成が可能

    ―歓迎するライターさん
    ・不動産投資のメディアで記事制作をした経験がある方
    ・SEOライティングに関する知見が豊富な方
    ・ワードプレスへの入稿が可能である方

    たとえば、上記のような条件でライターを募集していた過去案件があったとします。

    営業メッセージを送るにあたり、まずはどこを見るべきでしょう?

    • 文字数
    • 文字単価
    • 作業範囲

    上記のような “自分の都合に関わる部分” は指示されなくても読みます。

    しかし、しっかり目を通さなければならない部分は「メディアのURL」です。

    メディアのURLを公開しているなら、まずはURL先のメディアに目を通します。

    僕の場合は、そのメディアに抱いた印象(主に良い点)に触れたうえで、「ぜひ一緒にメディアを作り上げたい」と伝えます。

    募集文に「このメディアは、こんな理念で運営している」といった一文があれば、それに共感する旨も伝えると良いでしょう。

    (3)発注者がいま募集をしていない理由を予想する

    過去案件をつたってアプローチする発注者は、どうしてそれ以降クラウドソーシングで発注を行っていないのでしょうか?

    理由はいくつか考えられますが、できる限りシンプルに捉えるためここでは2軸に分けてみました。

    • 前回の募集で良いライターが見つかった(新規募集が不要)
    • 前回の募集で良いライターが見つからなかった(新規募集が不安)

    「こんな相手の事情なんて分かるわけないじゃん」と逃げ出したくなるところですが、運営メディアのURLが記載されている場合はある程度の予想をつけられます。

    まず、前回の募集でライターの採用が決まっており、かつ運営メディアの更新がいまも頻繁に行われているなら、前回の募集で良いライターが見つかったのだと予想できます。

    正確には、前回の募集で採用された人=いま記事制作をしている人であるか否かは分かりませんが、ここは予想できないため僕は深く考えません。

    一方、前回の募集でライターの採用が決まっているにもかかわらず、運営メディアの更新がほぼ停止状態にある場合、もしくは採用が決まっていなかった場合は「良いライターが集まらなかった」のだと推察できます。

    ここまで予想ができれば、営業メッセージを書き分けることが可能です。

    (4)営業メッセージを理由別に書き分けて送信(良いライターがいる場合)

    良いライターがいるのだと予想が立てられる場合、以下のポイントを踏まえてメッセージを送ると有効なアプローチとして機能します。

    • 優秀なライターを抱えていることについて触れる
    • 「私も近いテイストで記事を書けますよ」と伝える(教育コストがかからないことをアピール)

    また、どうしてもライターとして参画したいメディアである場合は、予算・納期の面で融通を効かせられる点を強調すると良いように思います。(僕は予算・納期で勝負したことはないため、断言できず申し訳ありません)

    以下、営業メッセージのサンプルです。

    営業メッセージのサンプル(1)

    初めまして、ライターの藤原将と申します。

    ランサーズより、過去に掲載されていた〇〇さまの案件を拝見し、ご連絡しました。すでに当該案件の募集は終了していますが、案件の内容と自身のもつスキルのマッチ度が高いと感じたため「お話だけでも聞いていただきたい」と強く思った次第です。

    当該案件を見つけたあと、募集文のリンクよりメディアの記事を拝読しました。

    すでに優秀なライターさんがおり、質の高いコンテンツが納品されているようにお見受けします。一読者として、非常に満足度の高い記事が多いと感じました。

    同時に、いずれの記事も自身が書く記事のテイストに近く、即戦力としてメディア運営へ参画できると感じています。より多くのファン読者を獲得するため、私もライターの一員として起用していただけないでしょうか?

    過去には、このような記事を執筆しております。

    ・タイトル+記事リンク(ジャンルの近いもの)
    ・タイトル+記事リンク
    ・タイトル+記事リンク

    既存のライターさまとの兼ね合い等あるかと存じますが、新たな戦力として良質な記事を納品いたします。予算・納期といった部分も、ご相談を経て柔軟に対応できればと考えておりますので、どうぞご検討のほどお願いいたします。

    なお、ライターに求める条件を始め、開示いただいている各条件はすべて満たしております。文字通り “即戦力” として参画できますので、その点も加味していただけますと幸いです。

    お忙しいところ恐縮ですが、何卒よろしくお願いいたします。

    (5)営業メッセージを理由別に書き分けて送信(良いライターがいない場合)

    良いライターがいないのだと予想が立てられる場合、以下のポイントを踏まえてメッセージを送ると有効なアプローチとして機能します。

    • メディアのコンセプトに魅力を感じているのだと伝える
    • 「現状、良いライターと出会えていないのでは?」と尋ねる
    • 「記事の充実に貢献したい」と参画の意思を伝える
    • 「もう失敗したくない」という不安を解消できるような言葉選び

    いずれも抽象的なアドバイスにとどまってしまったため、こちらも具体例を1つご用意しました。

    営業メッセージのサンプル(2)

    初めまして、ライターの藤原将と申します。

    ランサーズより、過去に掲載されていた〇〇さまの案件を拝見し、ご連絡しました。すでに当該案件の募集は終了していますが、案件の内容と自身のもつスキルのマッチ度が高いと感じたため「お話だけでも聞いていただきたい」と強く思った次第です。

    当該案件を見つけたあと、募集文のリンクよりメディアの記事を拝読しました。

    「魅力的なコンセプトのメディアと出会えた」というのが、私の素直なファーストインプレッションです。しかし、前回の募集でライターを採用されなかった点から、メディアに相応しいライターと出会えなかったのだと推察します。

    今回、私がご連絡した動機は、「もっと記事が充実した〇〇(メディア名)を見てみたい」という想いです。初めからみっちりと意思共有の機会を設けさせていただき、1記事目からご満足いただけるコンテンツに仕上げられるよう努めてまいります。

    メディアの方向性を見るに、まずは「〇〇(記事のテーマ)」にまつわる記事から、充実を図っていくのはいかがでしょうか? 私は、そういった方面の知識もございますので早々に取り掛かれます。

    文章力に関しては、過去に書いた以下の記事をご参照ください。

    ・タイトル+記事リンク(ジャンルの近いもの)
    ・タイトル+記事リンク
    ・タイトル+記事リンク

    このほか、ライターに求める条件を始め、開示いただいている各条件はすべて満たしております。また、予算・納期といった部分も、ご相談を経て柔軟に対応できればと考えておりますので、どうぞご検討のほどお願いいたします。

    お忙しいところ恐縮ですが、何卒よろしくお願いいたします。

    3.まとめ

    とくに独立当初、毎日のように過去案件を通じて営業をかけていたときは、ここまでにご説明した視点を意識しつつメッセージを送っていました。

    すぐ契約につながった案件、発注者から「つぎ人員を追加する際はぜひ」と約束してもらい、あとから契約につながった案件は複数あります。

    だからこそ、内容をボカすことなく “結果が出る方法” として開示しました。お金がかかる行為ではないので、空き時間を使って積極的に真似していただければと思います。