2020年10月にKindle出版に初挑戦し、本記事の執筆時点では累計480万円少しの印税をいただきました。

これもひとえに、読者の皆さまの協力があったからこそです。Amazonレビューはもちろん、ブログやSNSで自著を紹介してくださったからこそ、ここまで多くの方に読んでいただけたのだと思っております。

本記事では、私の著者人生をスタートさせてくれたKindle出版の全容を共有し、皆さまに「出版って案外楽しそう」と思っていただくことを目的とします。いきなり詳細まで解説するとドン引きさせてしまいますから、タイトルにある『はじめてのKindle出版』に相応しい易しい内容を目指しました。

この記事の執筆者

藤原 将

合同会社ユートミー代表。2018年からフリーランスライターとして主に法人メディアの記事制作に従事。

ランサーズ株式会社より「ランサーオブザイヤー2021」を受賞。大和出版『副業・在宅OK、未経験からはじめられる 「文章起業」で月100万円稼ぐ!』など文章を題材にした著書複数。

はじめに

よく「自分の好きなことを書くならブログでいいじゃないか」と言われますが、これは全くの的外れな意見です。あえて簡単に言うなら、Kindle出版は「本屋『Amazon書店』に自著を並べてもらう」行為であり、ブログ記事の公開は「雑誌『週刊自分』を発刊してそこへ連載をする」行為です。

出版経験のある人間が「ブログでいいじゃないか」というならまだしも、出版未経験者の「ブログでいいじゃないか」ほどいい加減な意見はありませんから、まったくもって聞く必要はございません。

Kindle出版すべきか、すべきでないかを決めるのは、あなた自身の出版に対する意欲の有無でよいのです。

①生き生きと書ける企画を出そう

普段は「企画はこうやって練り出そう」と偉そうに言っているのですが、本記事『はじめてのKindle出版』ではシンプルに行きます。ズバリ〝生き生きと書ける企画〟を考えてください。

  • 人生でもっとも時間を費やしたこと
  • 人生でもっともお金を費やしたこと
  • 人生でもっとも愛情を費やしたこと

たとえば「私は長らく家庭菜園を続けている」というなら、こんな企画が良さそうです。

ベランダで自給自足⁉ 初心者でも失敗しない家庭菜園デビュー

Kindleには画像を挿入できますから、実際に育てている野菜や果物の写真を載せると楽しく読めそうです。

②Kindleの全体図をつくろう

Kindleの全体図は、いわば「どの順番で読者に情報を伝えるか」を決める設計書です。先ほどの『家庭菜園デビュー』を例にするなら、以下のような全体図が候補の一つになりそうです。

  1. はじめに
  2. 育てる野菜と果物の候補を選ぼう
  3. 初心者なら苗から育成がおすすめ
  4. 苗を買うときに見るべきポイント
  5. 鉢栽培と袋栽培の長所・短所とは
  6. 野菜・果物別、培養土と肥料選び
  7. 家庭菜園に不可欠なアイテム9つ
  8. 100均一で買える便利なグッズ
  9. 基本的な植えつけ手順を徹底解説
  10. もしこんな病気になったときは…
  11. おわりに
  12. 参考文献・著者紹介・その他の案内

このようにして「何を書いたあと何を書くのか」をあらかじめ書き出しておくことで、Kindle原稿の執筆中に「つぎは何を書けばいいだろうか」と悩むことが減ります。行き当たりばったりの執筆は作業のストップや巻き戻しの原因となるため、最初に全体図をつくって一気に書き切るのがベストです。

③原稿を書こう

自分で作成した全体図は「自分が書けること」と「調べれば書けること」から構成されているはず。読者の目線に立って「この部分は詳しく説明したほうが親切だろう」「ここはさらっと解説すれば大丈夫だろう」と考えながら、Kindleの全体図をもとに完成へ導いてください。

一つひとつの表現に悩んで筆が進まない場合には、細かい部分を気にせず〝書き切る〟ことを最優先事項にしましょう。60%のクオリティで書き切ったあとに、読み返しながら修正したほうが早く確実に100%のクオリティに近づきます。

「どうすれば読みやすい文章になるだろう」とお悩みなら、こちらの記事をご一読ください。

④推敲をしよう

推敲すいこうとは、より良い文章を目指してつくり直すことです。多くの場合、Kindleの原稿は数万字規模になるため、書いている最中にどこかで矛盾や内容の重複が起こります。推敲によってそれを丁寧に整えていきましょう。

⑤表紙をつくろう

クオリティを追求するなら、Kindle作品の表紙制作はプロに任せるのが一番です。私はデザインセンスが皆無なので、すべてプロにお任せしています。

過去に出版された著書(うち3冊がKindle)

私は『ランサーズ』というサービスでデザイナーさんを探していますが、より簡単さを重視するなら『ココナラ』が有力候補です。ココナラトップページの検索欄に「kindle 表紙」と入力して調べれば、Kindle表紙を作成してくれるサービスが無数に出てきます。ざっと見た感じ、費用相場は5,000~1万円程度でした。

ただしどうしても自分でつくりたいという場合には、ネット検索で「kindle 表紙 作り方」と調べれば作成方法がヒットします。またKindle Unlimitedに加入して無料で読める作品のなかに、良さそうな作品があったのでご紹介します。

⑥KDPに書籍を登録しよう

続いて、Amazonが運営する電子書籍プラットフォーム『KDP(Kindle ダイレクト・パブリッシング)』の登録を進めます。

レイアウト崩れが怖いため、私は以下記事に載せた方法でKindleデータを作成していますが、Microsoft Wordで保存した原稿データ(.docx)をそのままKDPにアップロードすることも可能だそうです。

すでにAmazonのアカウントがある場合は「サインイン」を、Amazonのアカウントがなければ「サインアップ」から「KDPアカウントを作成する」へ進むことで登録できます。

その後、利用規約に同意すれば以下のような画面に遷移します。

上部に「アカウント情報が不完全です」といった表記が出ているかと思うので、「今すぐ更新」を押して登録を進めていきましょう。以下の情報を記入することとなります。

  • 住所・電話番号
  • 印税収入を受け取る銀行口座
  • 税務情報に関するインタビュー

このうち、税務情報に関するインタビューは「TIN値(納税者ID)を入力してください」といった要求があり理解しづらいのですが、こちらのサイトの方がAmazonに直接質問してくださった情報によると日本への出版が主ならTIN入力は必須ではない〟と解釈できます。

TINを入力しなければ、米国(Amazon.com)でKindleが売れたときに30%の税金を課せられるのですが、税務情報に関するインタビューを終えた段階から日本(Amazon.co.jp)で売れたKindleに関しては米国の源泉徴収制度の対象外になるとのこと。

冒頭でも話しましたが、アメリカに情報を提供するということがまず一番です。
その他にAmazon様の回答によると、

“Amazon.co.jp など、Amazon.com 以外の Amazon Kindle ストアでの売り上げに対するロイヤリティは、税に関するインタビューを完了した時点で、米国の源泉徴収制度の対象外として扱われます。Amazon.com で獲得されたロイヤリティにのみ、30%米国源泉徴収税が適用されます。”

つまり、登録が完了した時点で「Amazon.com」を通して購入された場合は30%の源泉徴収税がかかってくるけど、アメリカ以外のAmazon Kindle ストア(例えば、「Amazon.co.uk」など)での売り上げの支払いに対しては源泉徴収税はかからないということ。

引用:トラエラ人「Kindle『税に関する情報』勘違いしてる人多すぎ!?直接KDPに徹底的に問い合わせてみた!

法人で登録する場合は、法人番号を入力します。私は一応、小さな会社の代表なので法人番号を入力する形で対応しました。

KDPの登録を一通り終えると「アカウント情報が不完全です」の表記がなくなります。以下画像の左側にある「電子書籍または有料マンガ」をクリックして、ここまでに作成しておいた原稿と表紙データをアップロードしていきましょう。

クリックすると、Kindleの詳細情報を入力する画面がでてきます。「オプション」と表記されている項目以外は入力必須なので、それぞれ情報を書き入れていきます。基本項目のうち、とくに大切なものは以下です。

本のタイトル読者がどんな単語で検索するのか考えて、タイトルに組み入れる
内容紹介どんな本なのか端的に伝えて、原稿の目次や「はじめに」を引用
出版に関して必要な権利自身が著作権者なら「私は著作権者であり~」をチェック
キーワード読者がどんな単語で検索するのか考えて、キーワードを考える(オプションですが設定推奨)
カテゴリー選択肢からKindleに関連するカテゴリーを選ぶ
年齢と学年の範囲成人向けコンテンツでなければ「いいえ」を選択

上記項目の設定を終えてつぎの画面に進むと、以下のような項目があらわれます。

言語横書き・縦書きのどちらかを選択し、原稿をアップロード(DRMは説明を確認のうえ選択)
Kindle本の表紙事前に用意した表紙データをアップロード
Kindle本のプレビューこの項目からレイアウトが崩れていないか確認
Kindle電子書籍ISBNKindleの場合は不要

ここまでの設定を終えると、最後につぎの項目があらわれます。

KDPセレクトへの登録わたしは登録しました(売上促進が期待できるほか、読者がKindle Unlimitedで作品を読めるようになる。つまりダウンロード数が伸びやすい)
出版地域出版対象にする地域を選択
ロイヤリティと価格設定ロイヤリティ(印税率)とKindleの販売価格を設定 ※後から変更可能
本のレンタルロイヤリティ70%の場合は強制的に登録

オプション表記のない項目をすべて設定すると「Kindle本を出版」のボタンをクリックできます。出版手続きをしたあとは審査が行われ、数日のあいだにAmazon上に出版される仕組みです。

⑦ブログやSNSで宣伝しよう

すでにブログやSNSをお持ちなら、それらの発信媒体で「こんな本を出しました」と宣伝しましょう。このとき重要なのは、一回だけさらりと宣伝するのではなく、一定期間にわたり何度も繰り返し表現を変えて「こんな人に読んでほしい一冊です」と訴求することです。

たとえば、ブログで宣伝するならブログトップページはもちろん、全記事の冒頭や末尾に宣伝を入れたいところ。SNSなら出版してから一週間程度は、毎日「まだ読んでいない方はぜひ」とアピールすることをおすすめします。

「こんなにアピールすると鬱陶しいかも?」と気になるものですが、せっかく渾身の一冊を書き上げたのです。遠慮したために、あなたの本を手にとる人が減るほうが悲しいと思いませんか。

⑧次回作の構想を練ろう

Kindle出版デビューおめでとうございます。そして一冊目の執筆、お疲れさまでした。

さっそくですが、二冊目の構想を練るのはいかがでしょう。

著書を複数出版している場合、読者が「この人の本おもしろかったから別作品も読んでみよう」とリピートしてくれる可能性があります。しかし、どれほど読者が「この人の別作品を読みたい」と思っても、あなたが一冊しか出版していなければ二冊目は届けられません。

また、出版回数を重ねるほど企画や全体設計、執筆に慣れるため作品のクオリティは上がっていきます。

参考までに、今回例にした『家庭菜園デビュー』というテーマで一冊書いたなら、そこに関連性を持たせて以下のような企画がいいかもしれません。

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もちろん本記事の「生き生きと書ける企画を出そう」を踏襲して、一から企画を生み出してもOKです。

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