わたくし、藤原は2019年後期にフリーランスから法人の代表になり、いまのところは社長として働いています。

法人化を選んだ動機は、以下のようなもの。

  • 不動産賃貸業を始めたい
  • 法人設立を経験しておきたい
  • 税金の負担を少しでも抑えたい
  • 法人化を経て一層やる気を高めたい
  • 妻がエンジニアを目指すので組織化できるかも

ほとんど勢いで法人化をしたわけですが、よく知人に「後悔とか、失敗したと感じることはないの?」と聞かれます。

いまのところ、法人化して良かったと思う気持ちが強いものの、後悔めいた感情はゼロとは言えません。

後悔や失敗

毎月、税理士報酬やオフィス代などの固定費がかかるので、いつも「稼がなきゃ」とプレッシャーを感じる……

フリーランスも不安は多いけれど、思い返せば気楽だったなぁ。

ふと、こんなふうに考えることもあります。

今回は、いま「フリーランスからの、法人成りを考えている」という方に向けて、実際に法人化した際に感じたメリット・デメリットをご説明します。

記事内に込めたメッセージを読んで、「やっぱり、まだ早いかな」とか「よし、法人化しよう」とか、決断の参考材料にしていただければ幸いです。

この記事の目次(クリックで飛びます)

1.一般的に言われている法人化のメリット

2.フリーランスから法人化して実際に感じたメリット

3.一般的に言われている法人化のデメリット

4.フリーランスから法人化して実際に感じたデメリット

1.一般的に言われている法人化のメリット

フリーランス時代、法人化を検討するにあたり法人成りのメリットを調べたところ、おおむね以下のような点で有利になるのだと分かりました。

  • 一定以上の利益があるとき、税金面で有利
  • 社宅の家賃を経費にできる
  • 社会的信用を得られる(取引・賃貸契約・融資に有利)

よくメリットとして挙げられるのは、「節税対策になる」というものです。

年間利益が500万円前後を超えて所得税が高くなるタイミング、年間売上が1,000万円超が続いて “消費税の納付義務” が課せられるタイミングで法人化すれば、法人設立による節税メリットがあるとのこと。

特に、社宅の家賃を全額経費(うち約2割は給与天引き)にできるため、家事按分で2~3割を経費計上していたフリーランス時代に比べると差は歴然です。

社会的信用に関しては、いまのところ何も感じません。

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ふじはら
相続時にも有利だそうです

2.フリーランスから法人化して実際に感じたメリット

ここからは、実際に法人化をして「ここ、フリーランスと違って良いな」と感じたメリットをご紹介します。

(1)決算期(個人で言う確定申告の時期)を変えられる

フリーランスは、毎年1~12月までの売上・経費を計算し、翌年3月半ばに確定申告を行わなければなりません。

毎月コツコツ計算していれば、余裕をもって確定申告の準備を進められますが、ついつい後回しにして3月ぎりぎりに急いで準備する方も多いのではないでしょうか?

多分に漏れず、僕はいつも期限前ギリギリで処理を始めていました。

しかし、12~3月は結構忙しく、「確定申告が暇な時期にやって来てくれたら良いのにな」と考えていたのです。

法人化をすることで、この願いは叶いました。決算期を閑散シーズンに設定したので、焦ることなくゆっくり経費計上ができます。

(2)法人で受ければ「複数人で業務にあたります」と言いやすい

1人で仕事を請けたとき、一部業務を外注したいなら基本的に “再委託の許可”を得なければなりません。

しかし、取引相手によっては再委託を好まないケースもあり、この場合はメイン業務から雑務のすべてを単独で行う必要があります。

一方、法人で仕事を請けると、「〇〇は私が、〇〇は社員(うちは妻)に任せる体制で行きます」といった提案が通りやすく、自分はメインの業務だけこなしつつ社員に雑務をお願いしやすくなります。

(3)自分に対する周囲の認識が “フリーター” から “社長” に

まだフリーランスという概念は一般的だと言えず、「フリーランス=フリーター」と思われるシーンも多々あります。

アルバイトで生計を立てるフリーター、個人事業主として単身で専門的な仕事を請け負うフリーランスは、特に年配の方からすれば同じに見えるようです。

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ふじはら
良いんだけど……ちょっと悲しくなるよね

僕も一部の知人からフリーターだと思われていたのですが、法人化をして肩書がついたあとは「よっ、社長」ともてはやされるようになりました。

もともと自尊心の塊みたいな人間なので、肩書の変化による周囲の反応はさほど気にならないものの、多少誇らしげです。

あとは、肩書を活用して「俺は社長だから頑張らねば」と言い聞かせることで、セルフ鼓舞に一層力が入ります。

(4)事業投資に対する抵抗がなくなった

フリーランスは、売上使途の自由度の高さゆえ、事業投資をするとき「これ買うなら、美味しいランチ行けるよな」と “自分の金が減る” ように思えてしまうものです。

しかし、法人化をすれば、法人の売上が役員報酬以上に自分の懐へ入ってくることはありません。

僕の場合、役員報酬を17万円に設定しているので、どれだけ会社で利益をあげようが年間の個人収入は204万円なのです。

すると、「どうせ自分のお金は変わらないんだし、法人のお金ならいっか」と事業投資に抵抗がなくなりました。

いまでは10万円の教材、20万円のコンサルでも、良いと思ったらすぐ買えるようになりました。

3.一般的に言われている法人化のデメリット

フリーランス時代、法人化を検討するにあたり法人成りのデメリットを調べたところ、おおむね以下のような点で課題があるのだと分かりました。

  • 法人設立にお金がかかる
  • 赤字でも7万円以上の法人住民税が発生
  • 代表・従業員の社会保険料がかかる
  • 決算処理は難しいため税理士に依頼する必要がある

法人設立は高額な費用がかかるイメージだったものの、設立したのが株式会社ではなく合同会社であったこと。

および、「マネーフォワード会社設立」を利用し、自分で法人登記を進めたことから6万円(登記にかかる費用)で済みました。

個人的に、マネーフォワードはよく利用していて、確定申告も「マネーフォワード確定申告」を使っています。

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ふじはら
確定申告ソフトジプシーなら、試してみてください

ほかのデメリットに関しても、個人的にビビる必要はないように感じており、そこそこ事業が軌道に乗っているフリーランスなら心配ないかと。

ただ、このあとにも説明しますが、赤字でも経費がかかることに対して大きなプレッシャーはあります。

4.フリーランスから法人化して実際に感じたデメリット

ここからは、実際に法人化をして「ここ、フリーランスと違って良いな」と感じたメリットをご紹介します。

(1)代表(自分)の住所が変わるたびに変更登記が必要

法人化してすぐ、フリーランス時代に拠点としていた賃貸を解約し、新たに社宅を契約して引越しました。

こうして、代表(自分)の住所が変わったとき、登記簿と呼ばれる情報の変更申請を行う必要があります。

しかも期限は2週間以内。幸い、手の空いている時期であったため「変更登記ひとりでできるもん」を使い、同サービスのマニュアルを読みつつ変更申請を行いました。

今後、引越すたびに変更登記をしなければならないため、多少面倒な作業が増えることを憂いています。

(2)役員報酬によっては可処分所得が大幅に減る

フリーランスは、売上から諸費用を差し引いた金額を自由に使えます。

一方、法人化をして代表になれば、毎月一定額の役員報酬(給料)を設定し、それがそのまま毎月の個人収入となります。

そのため、フリーランス時代と同程度の収益をあげても、可処分所得は「役員報酬から生活費・保険料等の支払いを差し引いた金額」のみ。

Q
可処分所得とは?

前述した通り、本記事の公開時点における僕の役員報酬は月17万円です。

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ふじはら
諸々の支払い・天引きを加味すると手取り14万円くらいです

僕は事業投資以外にあまりお金を使わないため、個人で使えるお金が減ったとしてもダメージはありませんが、プライベートで衣服や娯楽によくお金を使う場合は不自由を感じるだろうなと思います。

※厳密に言えば、役員報酬を超える収入を法人から受け取る方法もあります。

(3)税理士報酬を始めとする “毎月の支払い“ にプレッシャー

法人化をすると、毎月のランニングコストが増えます。

  • バーチャルオフィス(会社の住所を借りるサービス)の料金
  • 税理士さんの顧問料
  • 法人口座の維持手数料

僕の場合は、このあたり。

バーチャルオフィスは、月5,000円ほど。税理士さんに支払う顧問料は月2万円程度なので、それぞれの金額は決して大きくないものの ”積もれば大金” です。

そのため、「最低でも固定費は稼がないと」と感じ、毎月の固定支出がプレッシャーになります。

5.まとめ

法人化は、多くのフリーランスにとって勇気のいる選択だと思います。

だからこそ、いまの所得や今後の展望、事業拡大の計画を考慮しつつ慎重に判断することをおすすめします。

一度、法人設立を経験した僕の基準では、つぎに当てはまるなら法人設立を前向きに考えても良いんじゃないかと思いました。

こんな状況なら積極的に検討して良いかも

・外注・雇用を駆使して組織化を進め、事業をスケールさせたい

・今後、年間の所得が1,000万円、2,000万円と増えていきそう

・過去に「法人なら取引するんだけど」と何度も言われてきた

あとは、すでに法人化を経験したことのある人(僕とか)、あるいは専門家に「ちょっと聞きたいことあるんですけど~」と質問しても良いかと思います。