藤原 将

    筆者はSEO記事、電子書籍、メルマガ等の執筆を得意とする歴7年目の社長ライターです。
    ――Twitter著書電子出版社

    新型コロナの影響と思われる “クライアントの予算削減” が相次ぎ、昨年に比べると収入は半分程度に落ち込みました。

    そして、こういった状況は僕だけでなく、すでに3割超のフリーランスが肌で感じているようです。

    今回は、新型コロナの影響を受けているフリーランスが、どういったふうに今後の行動を考えれば良いのか触れていきます。

    なお、本記事は強い主観を含んでおります。「みんなどう行動するのか知りたい」と探る際の、参考材料の1つ程度にお考え下さい。

    かんたんに聞ける動画版もあります ▼

    既存案件の予算が縮小されつつある

    新型コロナの影響により、僕が契約しているいくつかのクライアントは予算を削減しました。

    そして、こういった傾向は拡大しつつあるようです。下記は、無人契約機検索サイト「アトムくん」が、320人のフリーランスを対象として行ったアンケートの結果です。

    出所:アトムくん「【320人に緊急アンケート】新型コロナの影響で36.6%のフリーランスが収入減

    この結果を見て、自身の状況が偶然ではないことを知り、ここ数日は「“減っている・今後減りそう” に該当する自分のようなフリーランスは、今後どのように行動すれば良いのだろうか」と考えていました。

    収入に陰り始めたフリーランスは融資を要検討

    すでに収入が低下し始めている、あるいはその兆候が見られるなら、資金調達を検討すべきだと考えています。

    新型コロナウイルスがもたらす経済的被害は、2020年を闇の一年に変えるだけでなく、2021年、2022年と長期的に私たちを苦しめる可能性があるからです。

    「すぐに終わるでしょ」と楽観視している人が、1年も経たないうちに廃業している。そんな事態に陥っても、まったく不思議ではありません。

    毎月の固定費が、いくらかかるのか把握していますか? 売上ゼロになって、何か月持ちますか?

    僕は、売上ゼロになっても半年は耐えられる資金があるものの、これっぽっちでは安心材料になりません。

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    ふじはら
    現金を5兆持っているトヨタですら、今後に備えて1兆円の融資枠を要請しています

    ひとまず、経済産業省の「新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ」のうち、以下画像に含まれる箇所はチェックすることをおすすめします。

    出所:経済産業省「新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ

    自らの救済措置が “高金利なローン“ に絞られないうちに行動を

    金利の低い融資制度は、基本的に1ヶ月以上の審査期間を要します。「あっ、来月現金が足りなくなるかも」と思ってから行動するようでは遅いのです。

    仮に、すぐにキャッシュが必要となる場合、審査基準が易しく、融資実行までの期間が短いカードローンやキャッシングの利用を迫られます。

    しかし、これらの年利は10%をゆうに超えます。

    日本政策金融公庫の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」が、1%前後(条件により無利子)であることを考えれば、カードローン系の利息負担は非常に大きくなることがイメージできるはずです。

    ですから、「もう高金利なローンしか選択肢がない」という状況にならないよう、収入減少の兆候を感じ取ったら低金利な融資を即検討するよう提言します。

    新型コロナウイルスの収束まで、フリーランスの僕が取る戦略

    最初に断っておきますが、本記事でご説明する戦略が、すべてのケースにおいて最良の選択肢だとは限りません。

    この記事を書いた直後、何らかの要因により新型コロナの影響は解消されて、経済活動が急速に回復する可能性もあります。

    ですから、「みんなどう行動するのか知りたい」と悩む、方向性の定まらないフリーランスの参考材料の1つとして書いたものだとご理解のうえ、読んでいただけるとありがたいです。

    とりあえず融資・補助の類はすべて活用する姿勢

    日本政策金融公庫が、新型コロナにより売上を落とした企業を対象とする「新型コロナウイルス感染症特別貸付」の取り扱いを始めました。

    個人のフリーランスも、一人法人のフリーランスも利用できます。

    僕も、早々に必要情報と書類をまとめて、所轄の日本政策金融公庫に郵送。近いうちに、面談の場を設けてもらう予定です。

    正直、融資の申し込みが初めてであり、どのような結果になるのか予想できません。

    ただ、日本政策金融公庫の融資がダメだったとしても、あらゆる方法をもちいて資金調達は行っておくつもりです。

    日本政策金融公庫の申し込みはこちらが参考になりました

    [公庫コロナ特別貸付 00] 条件対象者は無利子。新型コロナウイルス感染症特別貸付の特徴

    ※10ステップに分けて融資の申込手順が解説されています。

    「フリーランス→法人成り」の弊社でも公庫の融資通りました

    僕の会社は固定費をミニマムに抑えていますが、それでも月40万円はかかる計算です。

    弊社の固定費

    ◦代表(僕)の役員報酬:17万円/月
    ◦役員(妻)の役員報酬:8万円/月
    ◦顧問料とか社宅代とか:15万円/月

    これに加えて、毎月変動費(外注費や資料代)が発生するため、運転資金として700万円の融資額を借入申請しました。

    申し込み後、半月ほど経ってから面談があり、公庫職員から投げられる下記質問に答えました。

    面談は30分程度で終わり、2週間足らずで審査通過を示す書類が届きました。

    ラッキーパンチを狙った金融投資は控える

    最近、ツイッターにて「いまから株を買おうかな」とか、「投資信託を買おうかな」という意見をよく目にします。

    そうやってリスクをとって、自分の資産を最大化させるため行動するのは、本当に素晴らしいことです。

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    ふじはら
    ただ一点、気になることがあります

    ちゃんと、“さらに経済が悪化したときのこと” も想定していますよね……?

    僕は、社会人1年目のころから、国内外の株や投資信託を買っていました。日本国民の平均よりは、金融投資に前向きです。

    しかし、少なくとも今後1年ほどは、金融投資に一切手を付けません。

    すでに「フリーランスとして “リーマンショック以上の恐慌(諸説あり)” を乗り越える」という、馬鹿みたいに大きなリスクにさらされているからです。

    確かに、急落からの大反発に乗り、ラッキーパンチを当てれば資産は一気に増えるはずです。

    ……が、僕はそれに賭けられるほど、経済的に余裕がないもので。

    ハードではなくソフトに投資する

    過酷な市場で生き残るためには、自己投資が必要です。それも、ハード(設備・道具)ではなく、ソフト(情報・スキル)に対する投資です。

    思うに、激動する市場に放り込まれているとき、用途が固定されているハードに投資をしても、それほど効果はありません。

    むしろ、ハードに対する投資は、市場が安定している局面で「生産性を底上げする」ときに効果的だと考えています。

    まさに、一寸先は闇となっている2020年3月現在、市場がどのように動いても対応できるよう “可能な限り柔軟な頭” を作るほうが先決だと思うのです。

    • 本業を強化する知識
    • 本業を拡張する知識
    • 税制・融資・補助金の知識
    • 仕事獲得の経路拡大

    変動費は抑えつつも、ソフトへの投資は積極的に行う1年とします。

    事業回復の兆しを見出したら、順にやろうと思うこと

    正直、今回の騒動は外的要因が強力すぎるため、ここまでにご説明した方法にどれほどの効果を期待できるのか分かりません。

    しかし、仮に新型コロナの波を1つ越えて、事業回復の兆しが見えてきたときには、以下の取り組みを順に進めていこうと考えています。

    • 資産キャッシュ化のために安く売りだされた不動産の購入
    • 完全なる余剰資金で米国株式を購入

    金融恐慌は、簡単に言うと “金融資産の価値が下がり、現金の価値が高くなる” 状況のことです。みんなが、現金を確保するために資産を手放します。

    しかし、資本主義経済はしたたか。過去の例を見るに、一度どん底まで落ちた資産の価値は、数年の時間をかけてじわじわとバリューを回復させてくるはずです。

    “ラッキーパンチを狙った金融投資は控える” の章で触れた内容は、 「事業のリスクを抱えているから金融投資は控える」というものでした。

    しかし、倒産のリスクが落ち着いたあと……という条件付きなら、資本主義経済を信じて余剰資金を金融市場に投じることは、1つの賢明な判断だと思うのです。

    まとめ

    僕の今後5年、つまり2025年までのざっくりとした動きはこんな感じです。

    とりあえず、何をすべきか分からないフリーランスは、以下のポイントを意識したほうが良いように思います。

    • 固定費・変動費・売上予想から、資金繰りの状況を把握
    • 経済的な救済措置(融資・補助)を意識的にキャッチアップする
    • 無計画なまま金融投資には手を出さない

    一生に数回であろう大ピンチ、一緒に乗り切りましょう。