「フリーランスとして独立するとき、銀行口座を新規開設したほうが良い」といった意見をたくさん聞きます。

しかし、独立前に使っていた個人口座を、そのまま使えば良いように思うのです。

今回は、フリーランスになるからと言って、銀行口座を新たに開設する必要がない理由についてご説明します。

「たくさん銀行口座を作りすぎて管理できない……」といった事態に陥るまえにご一読ください。

この記事の目次(クリックで飛びます)

1.フリーランスになっても銀行は個人口座を使えば良い理由

フリーランスになるからと言って、銀行口座を新たに開設する必要はありません。

結論から言うと、”必要に迫られたら事業用口座を開設する” というスタンスで良いと考えています。

実際、フリーランスとして独立する直前、僕はネットで調べた「銀行口座を新設したほうが良いよ」という記事に従い、いくつかの事業用口座を開設しました。

しかし、事業用口座を作ることで感じたメリットなど全くなく、最後は以前から使っていた個人用口座に落ち着いたのです。

むしろ、中途半端に使い分けると、事業用・プライベート用の資金を行ったり来たりさせることとなり、余分に手数料を支払ってしまうケースもありました。

いまは法人になったため、法人用口座を利用していますが、個人事業主なら事業用口座をあえて作る必要はないように思います。

(1)会計処理の難度は口座を分けても変わらない

「会計処理が簡単になる」というメリットは、ネット上の記事によく書かれている事業用口座の利点です。

ただ、よほど多くの事業者と取引をするフリーランスでない限り、事業用口座を分けても会計処理の難度は変わりません。

なぜなら、銀行口座の取引履歴のうち、会計処理の際に参照する項目は少ないからです。

記帳時に参照する入金情報記帳時に参照する出金情報
売上家賃・通信費・光熱費・外注費

たとえば、仕入れにかかる経費の支払いを銀行振込で行っているなら、確定申告時に記帳すべき出金履歴が膨大になるため、事業用口座の新設が望ましいかもしれません。

しかし、ポイント還元率の側面を考慮し、クレジットカードを経費決済の主な手段とするフリーランスが多いはず。

となると、銀行口座の取引履歴から参照する項目は、決して多くはないのです。

  • 契約しているクライアントが多い
  • 報酬を支払う外注先が多い

上記のケースに該当しない駆け出しフリーランスなら、あえて銀行口座を新規開設するメリットはないと考えています。

銀行口座の新規開設に時間を割くより、仕事や顧客の開拓に集中したほうが良いように感じました。

(2)取引先に「何で屋号じゃないの?」なんて思われない

「取引先から信頼される」というメリットも、ネット上の記事によく書かれている事業用口座の利点です。

しかし、上場・非上場を問わず、銀行口座の名義を理由に失注したことはありません。そもそも、口座名義が話題にのぼった経験もないのです。

フリーランスになって、自身が「屋号の銀行口座を作りたい」と希望する場合を除き、屋号の銀行口座を用意するメリットはないように思えます。

(3)【注意】事業用クレジットカードは必須です

銀行口座は、独立前から利用していた個人口座で問題ないと考えている一方、クレジットカードは事業用として1〜2枚作成することをおすすめします。

まず、ポイント還元率の観点から、経費の決済手段はクレジットカード一択。

そうすると、確定申告は “経費の決済にもちいたクレジットカード” の使用履歴をもとに行うこととなります。

「確定申告のとき、銀行口座から参照すべき情報は少なく、一方でクレジットカードから参照すべき情報は多い」

これが、銀行は個人口座のままで良く、クレジットカードこそ事業用のものを作成すべき理由です。こだわりがなければ、三井住友カード楽天カードで良いように思います。

フリーランスになった直後から現在に至るまで、プライベート用のカード(左2枚)と、事業用のカード(右2枚)を使い分けています。

左上Kyash, 左下三井住友カード デビュープラス
右上三井住友ビジネスカード, 右下楽天ゴールドカード

たしか、楽天市場で買い物する金額が年間12万円以上なら、通常の楽天カードより楽天ゴールドカードのほうがお得だったはず。

僕の場合、楽天でオフィス用品を購入すると年間12万円を軽く超えるので、年会費2,000円(税抜)を支払って楽天ゴールドカードを使用しています。

2.フリーランスなら、とにかく手数料の低い銀行口座を推奨

フリーランスになるからといって、あえて事業用の銀行口座を開設する必要はないと言いました。

ただし、取引手数料の高い銀行口座しか保有していない場合は、手数料の低い銀行口座の開設をおすすめします。

収入が安定しない駆け出しフリーランスにとって、数百円の手数料は結構な負担。また、数百円の手数料も、何度も積み重なると大きな金額になります。

  • 手数料が低い
  • 無料の取引回数が多い
  • スマホから簡単に各操作を行える

コストを最小化しつつ機動力もカバーできる、上記条件に合致する銀行口座が理想的です。

もしも、どの銀行口座が良いのか分からなければ、低コストで使える下記ネットバンクをおすすめします。

ネット銀行入金手数料出金手数料
住信SBIネット銀行無料(法人は有料)月2~15回まで無料 以降は1回110円(税込)
GMOあおぞらネット銀行無料(法人は有料)月2~15回まで無料 以降は1回110円(税込)
楽天銀行(優先度低)無料(3万円以上)月~3回まで無料 3万円未満 168円(税込) 3万円以上 262円(税込)
※いずれも同行間の取引は手数料無料(2020年4月時点)

基本的には、住信SBIネット銀行かGMOあおぞらネット銀行をおすすめします。

これらのネットバンクは手数料が低く、スマホアプリの操作性に優れているからです。

一方、楽天銀行は「楽天サービスと連携させて利用する場合」にのみメリットがあります。単体で利用するぶんには、ほかの2行に劣る点にご留意ください。

3.まとめ

銀行口座を増やし、それを使い分けるとなれば、管理に相応の労力がかかります。

一般的に言われるようなメリット・デメリットも、一切感じません。

  • 会計処理が楽になる→取引先が少なければ影響なし
  • 企業に信頼されない→少なくとも僕は実感なし

すでに手数料の低い個人口座があるならそれを流用し、もしも必要に迫られる機会があれば開設すれば良いように思います。

駆け出しフリーランスは、銀行口座の新設に時間を割くよりも、まずは顧客開拓と仕事をしましょうよ。