米国高配当ETFは魅力的なものが多いので、どれを選べば良いのか難しいですよね。色々な記事や書籍を読んで、あれも良いこれも良いと悩んでしまう気持ちは分かります。

しかし、投資先に悩むことも醍醐味とはいえ、同時に貴方の貴重な余暇時間を減らしていることも念頭に置くべきです。ここは、貴重な時間を守りつつ、いち早く未来を変えるためにサクッと決めるべきでしょう。

この記事の目次(クリックで飛びます)

1.【タイプ診断】貴方に適した米国高配当ETFの見つけ方

正直、よく名の挙がる米国高配当ETFは、どれも適切に投資先が分散されており経費率もごくわずか。洗練された金融商品であるため、頭が一つ二つ飛び抜けているものはないと感じます。

そこで重要になってくるのが、やはり「どのような目的で投資するのか」という部分です。まだ目的が定まっていない人はもちろん、すでに目的を設定していたとしても再確認しておきましょう。

(1)高配当ETFは「目的ありき」で投資しないとブレる

定番の米国株ETFである「VTI」や「VOO」に比べると、米国高配当ETFは基準価額の値上がり率が低く、配当金込みで考えてもトータルリターンは劣ります。

つまり、最終的に保有しているETFをキャッシュに変えるなら、米国高配当ETFよりもVTIやVOOに投資するほうが合理的なのです。

米国株ETFの決定版と呼ばれている投資先ではなく、あえて米国高配当ETFに投資をするのはなぜか? それを確認しておかなければ、運用中に「やはりトータルリターンで勝るVTIが良かったかなぁ」となりかねません。

(2)何を重視しているのか"いま"再確認しましょう

米国高配当ETFを運用する人のほとんどは、配当金によるキャッシュフローを目的に投資をしています。だからといって「配当収入が欲しいので米国高配当ETFを買いました」では、目指すべきゴールの解像度が低すぎます。

いきなり目標に具体性を持たせるのは難しいので、まずは少しだけ目標を鮮明にしましょう。下記のうち、貴方はどのパターンに当てはまりますか?

パターンA
まとまった配当収入を確立して「早期リタイア」を目指す
パターンB
配当収入を小遣いにしつつ、老後資金を作っていきたい
パターンC
退職するので、キャッシュフローの出る投資先を探している

僕の場合は「パターンA」を目標にして、定期的に米国高配当ETFへ投資をしています。こうして、具体的にどの程度のゴールを目指しているのかが分かれば、より実践的な投資計画の考案が可能です。

関連記事:配当金生活の準備をする具体的プロセス【必要資金・投資先まとめ】

パターンA
早期リタイアのために、キャッシュフローを最重視すべき。生活水準を落として、極限まで入金力を高める必要がある。
パターンB
配当利回りだけでなく、基準価額も投資判断に組み込む。生活水準を落とす必要はなく、極端な手法も選ばなくて良い。
パターンC
退職後は給与収入がないため、リスクを避けた運用が望ましい。配当を設定しつつ、ボラティリティの小さな投資先が良い。

ここまで割り出して、初めて具体的な投資先を検討できます。

2.【タイプ別】おすすめの高配当ETFを分析

先ほど挙げた3つのパターンに対して、一例として具体的な選択肢をピックアップしました。

パターンA:SPYDを軸にして任意で高配当銘柄を組み込む

僕は「いち早くセミリタイアしたい」と強く思っており、まさにパターンAそのものです。そんな僕は、ポートフォリオの半分以上をSPYDで運用しています。

理由はいたってシンプル。「信頼できる米国高配当ETFのなかで最も高利回りだから」です。ただし、SPYDには以下のようなデメリットもあります。

SPYDが抱えるデメリット
景気敏感セクターである「不動産」が大きな割合を占める
継続収入を見込めるが、値上がりは期待できない投資先ばかり
リーマンショックを経験しておらず、金融恐慌時の下落幅が不明

要するに、不況時にほかの高配当ETFよりも暴落する懸念があり、将来的に大きなキャピタルゲインを望める投資先ではないということです。これは、一見するとハイリスクな投資先に思えますが、そもそもパターンAの目的は何でしょうか

パターンAの目指すところは、あくまで圧倒的な利益率のインカムゲインです。

つまり、キャピタルゲインなど二の次であるということ。むしろ、キャピタルゲインへの期待など切り捨てるくらいの覚悟がなければ、インカムゲインに振った投資など務まりません。

そういった意味でも、パターンAを目指している僕は「SPYD+ほかの米国高配当ETF(+国内高配当株)」という、積極的にインカムゲインを取りに行く戦略を取っています。

パターンB:VYM・HDVをコツコツと積み立てる

配当収入を小遣いにするパターンBであれば、思い切りリスクを取る必要はないと考えています。狙うべきは、そこそこの配当収入を得られて、売却時に購入時と同額以上で売れそうな投資先です。

こういったスタンスであれば、VYMやHDVが有力候補になります。

VYM金融・消費財・ヘルスケアを中心に広く分散して投資。一時減配こそしたものの、リーマンショック時を生き抜いた銘柄。
HDVエネルギー・生活必需品・ヘルスケア事業を中心に投資。不況に強いセクターが多いため、不況時に対する強さに期待大。

とがった内容のSPYDと比較して、これらは高配当でありつつも確かな安定性が期待できます。爆発的なポテンシャルこそないものの、堅実に配当収入を得続けたい場合におすすめの投資先です。

パターンC:いっそ高配当ETFではなく米国債ETFを検討しよう

退職後のキャッシュフロー欲しさに資産運用をするとき、もちろんVYMやHDVという選択も候補に入ります。しかし、不況時にディフェンシブな値動きをすると期待されるVYMですら、リーマンショック時には50%程度の暴落を起こしました。

これを考慮すると、老後生活の突入とともに米国高配当ETFに資金を集中させるのは、あまりにもリスキーだと感じます。少し期待利回りを落として、よりディフェンシブな投資先を選ぶことを考えるべきではないでしょうか?

たとえば、米国債ETFの定番である「BND」は抜群の安定感を誇り、リーマンショック時は一時的に下落したものの直後に急回復。年度末にはプラスに転じています。

出所:TradingView「NASDAQ BND

全体的に堅調な値動きを見せつつも、分配金は投資額の2.7%程度(執筆時)となっており、リスクの割に高い水準でインカムゲインを得られる点が魅力です。

現役時代のような給与所得がないため、定年退職後はリスクをグッと抑えてこうした商品に投資するのも選択肢として大アリでしょう。

3.まとめ

リスクはどれくらい許容できるのか、キャピタルゲインを最大化するのか、あるいはインカムゲインを構築したいのか。スタンスが異なれば、投資に対する向き合い方は180度変わるため、投資スタイルを固めるなら目標をハッキリとさせなければなりません。

これを御座なりにしたまま雰囲気で投資を続けても、良い結果を生むことは少ないのです。これは、自身が身をもって何度も思い知らされた経験則です。

やはり王道なのは、スタート地点に立つ段階でゴールを設定し、ゴールに到達するまで愚直に信じた方法を貫き通すことでしょう。あれも良いこれも良いと悩むことも一興ではありますが、大切な時間を捨てないため労力・時間を割かず、低コストで継続できる方法を模索してみてください。