著者がAmazon出版を解説

電子書籍(Kindle)の作り方

生原稿も参考になれば幸いです

電子書籍の制作を行っている筆者が、電子書籍の作り方をご説明します。

Amazon(Kindleストア)への電子出版を検討している方は、ぜひご参照ください。

    藤原 将

    筆者はSEO記事、電子書籍、メルマガ等の執筆を得意とする歴7年目の社長ライターです。
    ――Twitter著書電子出版社

    5ステップ|電子書籍(Kindle)の作り方

    電子書籍の作り方は、以下の5ステップに大別されます。

    • 電子書籍のコンセプトを企画する
    • 読者が理解しやすい原稿を書く
    • 購買率を左右する表紙を用意する
    • 原稿データをEPUB形式に変換する
    • Amazon KDPの出版手続きを進める

    それぞれ、詳しくご説明します。

    電子書籍のコンセプトを企画する

    実は、電子出版は〝執筆前〟から本番へ突入しています。売れる電子書籍を目指すなら、電子書籍のコンセプト決めが重要な意味合いを持つからです。

    ベストセラーを獲得し、中期的にAmazonランキングの上位を獲得する電子書籍は、一つの例外もなくコンセプト(企画)が魅力的です。

    もちろんコンセプトが魅力的に思える作品でも、埋もれてしまっているタイトルはありますから「コンセプトさえ良ければ売れる」わけではありません。

    ただ、コンセプトが優れていなければ、競争の土俵にすら立てないのです。

    よって「どんな情報を、どこにいる読者へ、どんな切り口で届けるのか」を考えることに、多くの時間と労力を割くよう推奨します。

    目的例)自身のサイトへの問合せ件数を増やす
    キーワード例)Amazon内検索で『〇〇』と検索した際、ヒットさせたい
    コンセプト例)〇〇に悩む人を●●に導く電子書籍
    想定読者例)〇〇に悩んでいる人
    著者像例)想定読者に〇〇を教える●●分野の成功者

    とくに、コンセプトと想定読者は明確である必要があります。

    「誰に読ませる、どんな本なのか」を決めずに執筆を進めると、電子書籍へ盛り込むべき情報に抜け漏れが生じますし、言葉選びも不適切になりやすいからです。

    ある程度、音楽理論の知識がある人なら「この曲はコード進行に〇〇が使われており……」と説明しても通じますが、音楽に詳しくない人へ同様の説明をすると「どういう意味だろう」と思われてしまいます。

    コンセプトと想定読者が曖昧なまま執筆を進めると、上記のようなミスマッチが起こりやすいのです。

    ですから、思うままに書き進めるのではなく、電子書籍の土台となる要素を練ってから執筆に移るように意識してください。

    読者が理解しやすい原稿を書く

    コンセプトと想定読者が決まっており、電子書籍に盛り込むべき情報が著者(あなた)の脳内にあるなら、つぎは原稿を書くフェーズです。

    原稿に関しては各々の色が出る部分であるため、とくに「こうすべき」といったものはありませんが、電子書籍の内容を届けたい想定読者にとって読みやすい原稿でなければなりません。

    読みづらく、理解が難しい原稿のまま電子書籍を出版すると「書いていることの意味がわからない」とか「よくこれで本を出したな」などと辛辣レビューが集まるからです。

    評価(Amazonの場合は☆の数で表されます)が低いほど、新規読者の呼び込みへ不利に働くため、内容はともかく文章は想定読者のリテラシーにあわせるよう意識すべきです。

    読みやすい文章を書くためのポイントについては、以下を参考にしていただければ幸いです。

    短く、シンプルに書く一文が長くなったら、話の区切りをつけて二文に分割する。分割の目安は80~100字超。
    まずは結論から伝える起承転結の順に書くと、核心に迫る前に退屈さを感じるため、最初に結論から述べる。
    納得させる理由を足す「結論 ⇒ 理由 ⇒ 具体例」の順に述べることで、納得感の生まれる文章になる。
    箇条書き・図表を使う複数の項目を羅列するときは、箇条書きや表を使うことで視覚的に理解しやすくなる。
    余白のある文章を書く漢字とひらがなの割合は2対8、あるいは3対7程度にして空行(何もない行)を使い隙間をつくる。
    わかりやすい言葉選び想定読者が知らない専門用語は、かみ砕いて説明。読み手が「置いてけぼりにされた」と感じない配慮を。
    書いたあと、読み返すおそらく誤字脱字、意味のわからない文章があるので、原稿を何度か読み返して完成度を高める。
    参考:未経験から稼げる「書く副業」のはじめ方

    購買率を左右する表紙を用意する

    原稿を書き進めているあいだに、デザイナーへ表紙作成を依頼しましょう。ほかの記事でも述べているのですが、表紙は文字通り「電子書籍の顔」です。

    出典:Amazon Kindleストア

    『PowerPoint』や『Canva』などのサービスを利用すれば、素人でも簡単にデザインはつくれますが、やはり〝素人っぽさ〟が出てしまいます。

    そして、見た目から素人感が出ている電子書籍は、ユーザーから「この書籍はおそらく内容の質が低いだろう」と見積もられ、購買に至らないものと考えられます。

    かんたんな図解なら私もつくれますが、さすがに表紙だけはプロに頼もうと思い、過去に出版した電子書籍の表紙作成はいずれも経験豊富なプロデザイナーにお願いしました。

    表紙作成の依頼料はピンキリですが、おおよそ1~5万円で上記のようなレベルの表紙を作成してもらえます。

    原稿データをEPUB形式に変換する

    書いた原稿データを電子書籍化(EPUB形式へ変換)していきます。

    いくつか方法はありますが、私は「多少手間がかかっても不具合の少ない方法が良い」と考えているため、でんでんコンバーターと呼ばれる無料サービスを利用して原稿の電子書籍化を行っています。

    電子書籍化(EPUB変換)の流れ
    1. 原稿をパソコンの「メモ帳」に貼り付け
    2. メモ帳の中身をマークダウン希望で書き換え
    3. 表紙画像、書籍内に使う画像も一緒に用意する
    4. でんでんコンバーターに全ファイルをアップ
    5. EPUBされたものがダウンロードされる

    ※ 文章のみで詳しい工程をお伝えすると長文になってしまうため、後日あらためて動画を追加します。当ページをブックマークして、お待ちいただけますと幸いです。

    私の初著『文章だけで月100万円稼ぐ方法』の場合、以下のファイルをでんでんコンバーターにアップロードしました。

    でんでんコンバーターにアップロードする前のKindleデータ
    でんでんコンバーターにアップする前のKindleデータ

    上記の画像に写っているデータは、それぞれ以下のような材料です。

    cover電子書籍の表紙データ
    fujiharaマークダウン形式に書き換えた原稿データ
    fujihara001~005書籍内に使用する画像データ

    これらのファイルをまとめて、でんでんコンバーターの「アップロードしてね」の項目にある「ファイル選択」の部分へドラッグ&ドロップします。

    出典:でんでんコンバーター

    その後、タイトルや作成者といった情報を入力し、縦書きの電子書籍にするなら「ページ送り方向>右から左」を選択して、ページの下にある「変換」のボタンをクリックすると、電子書籍化されたものがダウンロードできます。

    Amazon KDPの出版手続きを進める

    つぎは、Amazonが提供する電子書籍のセルフ出版サービス「KDP」の出版手続きを進めます。

    KDPのシステムは昔ながらの見た目ではありますが、入力項目の名称がシンプルであるため大半は直感的に意味がわかるはずです。

    以下記事にKDPを利用する際に求められる入力項目と、その意味をまとめています。

    この認識で合っているのかわからないという場合は参考にしてください。

    電子書籍の作成に使用するソフト

    私が電子書籍を作成するために利用しているソフト・サービスをご紹介します。

    これ以外にも、新しく登場したソフトを積極的に試してはいますが、不具合の起こりづらさを加味すると以下の実績豊富なソフトたちがおすすめです。

    Microsoft Word原稿作成に使用するソフト。Googleドキュメントなど、無料の文書作成ソフトでも代用可能です。
    でんでんコンバーター原稿データをEPUB形式(電子書籍ファイルのフォーマット)に変換する無料サービス。
    SigilEPUB形式のファイルを読み取り、直接編集できる無料ソフト。主にCSSを調整する際に使用します。
    Kindle PreviewerEPUB形式のファイルを読み取り、電子書籍として閲覧できる無料ソフト。同ソフトで閲覧し、表示に不具合がなければAmazon KDPへ正式にアップします。

    原稿作成『Microsoft Word』

    私の場合、電子書籍の原稿制作はWordで行っています。

    Googleドキュメントと比較したとき、Wordのほうが「機能を使うときのアクション」がシンプルであると感じており、ストレスをためず制作を進められるからです。

    Wordの操作画面

    また、Googleドキュメントは縦書きに対応していない(2021年5月執筆時点)ため、原稿を縦書きで表示させつつ執筆する場合は、別ソフトを用意しなければならない点で不便です。

    以上の理由から、私は Microsoft Word を使用しています。

    参考材料として、2021年5月に出版した電子書籍『未経験から稼げる「書く副業」のはじめ方』の生原稿を一部公開します。

    どんなふうに原稿を書き進めているのか、実際の様子がいくらか伝わると幸いです。

    EPUB変換『でんでんコンバーター』

    Wordで作成した原稿データは、マークダウン記法で書き換えたあと、でんでんコンバーターを使ってEPUB形式に変換します。

    でんでんコンバーターの操作画面

    前述したように、以下のようなファイルを用意してアップロードすれば、電子書籍化(EPUB形式への変換)が完了します。

    でんでんコンバーターにアップロードする前のKindleデータ
    でんでんコンバーターにアップする前のKindleデータ

    CSS調整(原稿デザイン)『Sigil』

    見出しや太字設定など、マークダウン記法で記した最低限の装飾はでんでんコンバーター出力時に反映されていますが、原稿の一部に背景色をつけたりマーカー風な下線を装飾したりするならCSSの操作が必要です。

    CSSを操作できるソフトはいくつかありますが、私は歴史が長く多くの使用実績がある「Sigil」を使っています。

    Sigilの操作画面のキャプチャ
    Sigilの操作画面

    使用実績の多さは、ネット検索をしたときヒットする解説記事の量と相関するため、特別な理由がなければSigilで良いと考えています。

    なお、CSSを調整すれば高度なデザイン処理も可能ですが、電子書籍の閲覧専用タブレットである「Kindle、Kindle Paperwhite、Kindle Oasis」などはカラー表現に非対応であるため、色彩ありきのデザインはかえって不親切だと思います。

    過去の出版物のレビューを見る限り、デザインよりも原稿の読みやすさが読書体験の満足度に関わっているように見えるため、CSS調整はほどほどで良いと感じました。

    EPUB確認『Kindle Previewer』

    でんでんコンバーターにより出力されたEPUBファイルをSigilによって調整したあとは、電子書籍の表示に不具合がないか、出版前に確認することをおすすめします。

    未確認のまま出版すると、でんでんコンバーターのプレビュー時に気づけなかったモバイル端末で表示したとき特有のズレや違和感を見逃してしまうからです。

    Kindle Previewerは「電子書籍がどのように表示されるのか」を確認するために、Amazonが公式に公開しているソフトウェアであるため、実機に近い環境を再現できます。

    Kindle Previewerの操作画面

    このほか、iPhone・iPadに「Apple Books」と呼ばれるApple公式の無料アプリをインストールし、アプリにEPUBファイルを読み込ませて電子書籍を閲覧する方法もあります。

    Apple製品のユーザーであれば、こちらの方法でも良いでしょう。

    さいごに

    電子出版を行う際、もっとも気になる部分である印税収入については、こちらの記事で触れています。

    ぜひご参照ください。